研究課題/領域番号 |
24591722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三浦 智史 九州大学, 大学病院, 助教 (90404053)
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研究分担者 |
本村 啓介 九州大学, 大学病院, 助教 (60432944)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 気分障害 / 認知機能障害 / DNAメチレーション |
研究概要 |
本年度は、研究初年度にあたるため、まずは九州大学病院倫理委員会に本研究の申請を行い承認を得た。同時に、具体的に実際に行う認知機能バッテリーの確定を行った。トレイルメイキングテストなど、日本語版が複数存在する認知機能検査については、それら内容を吟味して、実際に行う版を決定した。加えて、最終年度に行うことを予定している、末梢血単核球由来のDNAメチレーション解析について、実際に外注を行う業者を選定し、提供する検体の抽出方法および保存方法について打ち合わせを行なった。末梢血単核球の分離には、BDバキュティナCPT採血管を用い、遠心分離した単核球層をQIAGEN DNeasy kitを用い、一部プロトコールを改変してDNA抽出を行うプロトコールを確定した。さらに、これらのプロトコールに沿ってボランティア血液からDNA抽出を行う予備実験を行い、解析に必要とされる充分量のDNA検体を得ることができた。 本年度にリクルートできた被験者は、双極性障害4名、大うつ病性障害1名、健常者2名であり、いずれも認知機能検査を終了することができている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
九州大学病院倫理委員会では、健康コントロール被験者のリクルート方法に関する議論が出たために、修正が必要であり、最終的な承認を得るまでに時間がかかってしまった。また、信頼性の高い網羅的なDNAメチレーション解析を委託可能な業者の選定に時間がかかってしまった。 以上より、被験者のリクルート開始が当初の予定よりも遅くなってしまったため、本年度リクルートした被験者が合計7名と少数であった。しかし、すでにこれらの技術的な問題は解決しており、現在精力的に被験者のリクルートに勤め、症例数も順調に増えていっているところである。次年度も引き続き被験者のリクルートとデータの蓄積を行う計画であるため、本年度の遅延は十分に回復可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き精力的に被験者のリクルートを行い、認知機能検査結果および頭部MRI、抹消血液の収集を継続する。最終年度に予定している、ゲノムワイドDNAメチレーションマイクロアレイに向けて、すでにDNA抽出方法は予備実験まで完了しており、順次検体を蓄積していく予定である。 最終年度は、認知機能検査結果を、双極性障害、大うつ病性障害、健常群で比較検討し、気分障害における認知機能障害の特徴を明らかにするとともに、ゲノムワイドDNAメチレーションマイクロアレイを行い、それら認知機能および疾患と関連するメチル化パターンの検索を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、研究開始の準備および被験者のリクルートを行う計画であった。研究開始準備に関しては、十分な成果が得られたが、被験者のリクルート開始が遅延したために、本年度に実際に研究に参加した被験者の数が少なかった。次年度は、引き続き精力的に被験者をリクルートし、認知機能検査データ、末梢血単核球由来DNAの抽出、頭部MRI検査を継続して行っていくことを計画している。よって、本年度それらに使用する予定であった費用については、引き続き同目的で、さらなる被験者のリクルートおよびその検体プレパレーションに使用する予定である。また、認知機能検査データについては、ある程度集まった段階で、予備的な解析を行い、学会発表などを行っていく予定である。
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