研究課題/領域番号 |
24591723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 双極性障害 / 発揚気質 / 光 / 明暗 / fMRI / FDG-PET |
研究概要 |
本研究は、双極性障害や双極スペクトラム障害の病態生理、診断、治療に関して、関連する気質に焦点を当て、脳画像研究を中心にさらに検討を進めるものである。私どもは既に、発揚気質の健常者が光を多くあびていることを明らかにしている。その理由として、「発揚気質者は他の者が明るいと感じるところも暗く感じるために、光を求める」という明暗弁別仮説を立てた。もうひとつの可能性として、「発揚気質者は他の者よりも、もっと明るいところを好むために、光を求める」という明暗嗜好仮説を立てた。これらの仮説を検証するために、明暗弁別課題や明暗嗜好課題を課したfMRI検査を行った。 30数名の被験者を対象とした結果、1)発揚気質者は、そうでない人と比較して、明るさや暗さの弁別閾に違いはない、2)発揚気質者は、そうでない人と比較して、明るさや暗さの嗜好に違いがある。明るさを好み、暗さを嫌う、3)重回帰分析の結果、発揚気質得点と明暗の嗜好課題における右のsubgenual Anterior Cingulate Cortex (ACC) (control時)の% signal changeが有意な負の相関を示す、などの所見を得た。 以上から、明暗の嗜好に発揚気質の有無が関連しており、発揚気質得点が高くなると右のsubgenual ACC (control時)の抑制が増すことが示された。subgenual ACCは既に双極性障害との関連性が指摘されており、発揚気質が双極性障害の前駆状態である可能性を支持するものと考えられた。 他に、健常者を対象に18F-fluorodeoxy glucose (FDG)-PETを用いた撮像を行い、それぞれの気質に関連する脳部位を検討しており、現在50名を超える被験者にFDG-PETを行ったところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者を対象としているために、集まりやすい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、双極性障害の患者も対象とした研究に移行していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
放射性リガンドの費用や被験者への謝金、旅費、消耗品などが主な使途となる予定である。
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