地域で暮らす65歳以上の高齢者で、抑うつ状態、認知機能の低下がない2634人を5年間に渡って経過を観察した。当初、73.9%の人に物忘れの自覚を認め、5年後も物忘れを自覚していたのが45.8%、回復したのが28.4%、そして新しく物忘れを自覚するようになったのが7.8%であった。認知症の前駆段階であるMCIになったのが9.5%、そして認知症となったのが4.5%であった。主観的なもの忘れやメタボリック症候群があっても5年後の認知機能に影響を与えることはなかった。認知機能の低下を防ぐためには、他者からの社会的な支援が少なく自立している生活をしていると好ましい可能性が示された。
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