研究課題/領域番号 |
24591728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 八戸学院大学 |
研究代表者 |
瀧澤 透 八戸学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40389680)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 自殺対策 |
研究概要 |
平成21-23 年基盤研究(C)「人口動態統計による精神障害者(特に統合失調症)の自殺死亡の疫学的研究(課題番号21591531、研究代表者 瀧澤)」の研究を進める中で明らかとなった自殺対策上の課題が、本研究「死因究明制度の課題=精神疾患・障害が把握できない理由」であり、これら2つの研究は連続しているものである。 平成24年度は、平成21-23年の研究費による研究成果を公表しながら、積極的に有識者と討論するなど、情報収集に努めた。7月15日にホテル青森で開催された「第18回日本警察医会」では、「自殺死亡における精神疾患-人口動態調査死亡票による検討-」の演題で発表しつつ、警察医や法医学者らによって、死体検案の際、精神疾患はどの程度把握できるのか、また、死体検案書に記載しない理由などを直接、質問することができた。 警察医や法医学者から示唆に富む指摘を受けたのち、質問紙の作成を開始し、10月の八戸大学研究倫理委員会に研究計画を申請し承認されている。 人口動態統計の自殺死亡における精神疾患は、イギリスの研究ではHunt らが26.4% 、また台湾では Chen らが 57.2% と報告している(Hunt et al., 2010;Chen et al., 2009)。今回の瀧澤による研究が9.95%であったが(日公衛誌59(6)2012)、こういった違いが生じる制度的な課題を明らかにしながら、自殺対策の推進を今後も検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、年度内に警察医を対象とした調査を実施する予定であったが、未だ実施されていない。ただ、警察医らと意見交換を行い、所属大学の研究倫理委員会に申請を行うという当初計画は達成されている。手続きを踏みながら研究を進めていることは間違いないが、準備に手間取っている状況は「やや遅れている」と評価されるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
警察医を対象とした調査は、簡易なもので良いので速やかに実施をしたい。昨年度より日本警察医会の会員となったが、調査依頼までは至っていない。 なお、都道府県警察医会は、医師会設置が約40%、警察設置が約40%、法医学教室設置が約10%であり、調査が実施しやすい環境にない。そのような中、次年度以降は、日本医師会のもと、警察医会は再編成されることになっており、これら状況を踏まえた研究の遂行が必要となるかもしれない。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の調査に必要な通信費は平成24年度の計画と同額と判断している。
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