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2015 年度 実績報告書

統合失調症の社会機能測定ツールの開発ー社会脳を実世界で評価する

研究課題

研究課題/領域番号 24591730
研究機関帝京大学

研究代表者

池淵 恵美  帝京大学, 医学部, 教授 (20246044)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード社会認知 / 統合失調症 / パフォーマンステスト / 社会機能 / 社会的スキル
研究実績の概要

統合失調症では就労や交友などの社会機能が障害されるが、その基盤として社会認知機能が注目されているが、文化差の問題などがあり、実世界で行動する能力を客観的に測定する標準化された尺度はまだ開発されていない。そこで社会認知機能のパフォーマンステストを作成した。研究の趣旨を説明し同意の得られた20・30代の男女36名(健常者20名、統合失調症患者16名)を対象とし、パフォーマンステストの実施と知的機能の簡易評価尺度JART(Japanese Adult Reading Test)、ベック自己認識評価尺度BCIS(Beck Cognitive Insight Scale)、心の状態推論質問紙SCSQ (Social Cognition. Screening Questionnaire)などを評価した。両群で有意差のあった年齢と教育年数を共変量として、各尺度の得点を共分散分析で群間比較したところ、パフォーマンステストの各項目で両群の社会的スキルの差が明確に示された(判別妥当性あり)。パフォーマンステストの多くの項目はSCSQやBCISの各項目と有意な相関があり(基準関連妥当性あり)、社会的認知が高いものは状況把握からプラン策定と実行、外顕的行動などの一連の社会的スキルの得点が高く、逆に自己認識の確信度の高いものは状況把握や事実認識などの得点が低かった。社会認知では状況把握から表出行動までの一連の過程とそれに対する自己認識が想定されるが、今回の因子分析でもそれに対応する因子が抽出された。児童や中年以後の成人や男女差、およびパフォーマンステストの評価の信頼性については今後の課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 統合失調症の心理社会的アプローチ2015

    • 著者名/発表者名
      池淵恵美
    • 雑誌名

      精神科

      巻: 27 ページ: 105-110

  • [雑誌論文] 精神疾患における社会認知の意義2015

    • 著者名/発表者名
      池淵恵美
    • 雑誌名

      精神科

      巻: 26 ページ: 177-180

  • [学会発表] 統合失調症の社会的認知の特徴についての検討―健常群との比較から2016

    • 著者名/発表者名
      菅真理子、池淵恵美、渡邊由香子、初瀬記史、江口のぞみ、佐藤研一
    • 学会等名
      日本統合失調症学会
    • 発表場所
      群馬県前橋市
    • 年月日
      2016-03-25
  • [備考] 帝京大学精神科ホームページ 研究業績報告

    • URL

      http://www.teikyo-psy.com/index.html

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公開日: 2017-01-06  

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