研究課題/領域番号 |
24591731
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
西村 勝治 東京女子医科大学, 医学部, 臨床准教授 (60218188)
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研究分担者 |
小林 清香 東京女子医科大学, 医学部, 臨床心理士 (40439807)
興津 裕美 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40385399)
筒井 順子 東京女子医科大学, 医学部, 臨床心理士 (20363624)
石郷岡 純 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80142412)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生体臓器移植 / 腎移植 / 肝移植 / ドナー / 自発性 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
課題2(提供意思の「自発性」の確認をめぐる問題点の抽出とそれらに対する対応の検討)および課題3(ガイドラインの作成)はすでに平成25年度中に達成した。 課題1(第三者面接の実施状況調査)については調査を予定していた時期に同様の調査が日本移植学会によって実施されたため、実施時期を延期していたが、平成26年1月に日本移植学会、日本肝移植研究会、日本総合病院精神医学会の協力を得て、郵送によるアンケート調査を実施した。過去1年間に生体移植1例以上実績のあった腎移植126施設のうち89施設(71%)、肝移植35施設のうち30施設(86%)から返答を得た。腎移植施設の70%、肝移植施設の90%で第三者面接が全例に実施されていた。腎移植では生体移植実施数が多い施設の方が第三者の設置率が高かった。ほとんどの施設で精神科医が第三者を担っていた(腎90%、肝83%)。ただし腎、肝ともに半数以上が倫理委員会から第三者が指名されていなかった。多くの施設が提供意思撤回の権利の保障(腎70%、肝100%)、考慮期間の設定(腎88%、肝100%)、ドナー家族が提供を理解していることの確認(腎92%、肝97%)など、ドナー候補の意思決定を支援していた。多くのドナーにメンタルヘルス専門家がケアを提供していたが(腎86%、肝93%)、臓器を提供しないことを決断した候補者に対するアフターケアの窓口を持っている施設は少数だった(腎15%、肝21%)。精神障害の既往を有する人でもケースバイケースを含め、ドナーとして考慮していた(腎80%、肝58%)。 以上から、日本移植学会倫理指針改変に沿って、第三者が生体ドナー候補者の「自発的意思」を確認する体制整備が進んでいたことが分かった。今後は体制面だけではなく、我々が作成したガイドラインに沿った面接技術の向上も必要と考えられた。
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