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2013 年度 実施状況報告書

脳内セロトニントランスポーター機能異常と頭部外傷後の高次脳機能障害

研究課題

研究課題/領域番号 24591741
研究機関北海道大学

研究代表者

服部 直也  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (30568499)

研究分担者 生駒 一憲  北海道大学, 大学病院, 教授 (70202918)
志賀 哲  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80374495)
キーワード頭部外傷 / セロトニントランスポーター / ポジトロンCT / 定量解析 / 高次脳機能障害 / リハビリテーション
研究概要

本研究の目的は、頭部外傷患者にみられる高次脳機能障害の発現において脳内セロトニントランスポーター機能異常の関与を最先端の PET装置を用いて明らかにすることである。脳内のセロトニントランスポーターの機能はC-11 DASBとポジトロン断層撮影装置を用いることによって非侵襲的に定量的評価することが可能である。 我々はC-11 DASBの合成に成功、製剤学的検討および動物実験による安全性の評価を経て、平成23年にヒトへの使用が本学自主臨床委員会に認可された。本研究の第一段階としてヒト健常者6名において薬剤の純度と安全性を確認した。その後自主臨床委員会から人における安全性は確認できたが基礎的な安全性の評価が不足しているとの指摘をうけ、細菌を用いた変異原性試験を用いた安全性が確認できるまで人における臨床使用が不可能になった。
平成25年度は6名の健常者データについて引き続き定量解析の簡便化を目指した検討を行い、対小脳比を用いた簡易的な定量法が動態解析を用いて算出したデータと比較して最大で24%の過小評価となることが判明した。また、動態解析についても様々な計算方法が考案されておりどの計算方法を用いるのが最適であるか、国内外の研究者と協議して検討を行った。その結果、DASBの小脳からの洗い出し速度を全体として求め、小脳全体で定数であると仮定して計算する方法が最適であると確認できた。加えて、実際の頭部外傷患者における高次脳機能障害と局所脳血流の関係についてもretrospectiveに検討を追加した。頭部外傷患者の高次脳機能障害においては特に演算処理速度の低下が頭頂後頭葉から小脳の血流低下と相関することが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

C-11標識DASBの合成とその安全性試験に成功し、臨床検討を開始することができたが、その後にPET装置の入れ替えに伴う研究中断期間が6ヶ月以上に及んだこと。研究再開にあたり、自主臨床委員会から人における安全性は確認できたが基礎的な安全性の評価が不足しているとの指摘をうけ、細菌を用いた変異原性試験による安全性が確認できるまで人における臨床使用が不可能になった。

今後の研究の推進方策

自主臨床委員会と協議を重ね、使用放射性診断薬剤(C-11 DASB)の臨床使用については、変異原性の安全確認の上で男性に限り使用できる許可を得た。今後、細菌を用いた基礎的安全性試験を追加して行い細菌における変異原性について安全を確認した後に臨床応用を開始する。人における臨床応用は本年度中に再開できる予定であるが、基礎的検討として頭部外傷後の高次脳機能障害と脳血流の関係について検討を継続して行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度でデータ採取のために使用する予定だったが、研究が中断しておりデータ採取が進んでいない。平成26年度中に研究が再開する予定であり、そのための検査費用、データ解析費用が必要である。また学会での研究発表や論文作成も予定されている。
平成26年度は研究再開とともに新たな患者データや健常者のコントロールデータを追加する予定であり本研究費はそのための検査費用に用いる。データを蓄積、解析する装置も更新する必要がある。また学会での研究発表や論文作成に関わる費用も必要となる。

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公開日: 2015-05-28  

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