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2014 年度 実施状況報告書

心筋血流予備能を用いた拡張障害心不全患者における包括的リスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 24591742
研究機関北海道大学

研究代表者

納谷 昌直  北海道大学, 大学病院, 助教 (20455637)

研究分担者 岩野 弘幸  北海道大学, 大学病院, その他 (50622354) [辞退]
絹川 真太郎  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60399871)
真鍋 徳子  北海道大学, 大学病院, 講師 (70463742)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード心筋血流予備能 / MRI / 冠動脈疾患
研究実績の概要

背景:2013年度に我々は心臓MRI検査を用いて患者毎の心筋血流予備能を測定する方法を開発した。そこでこのプログラムを改良し、局所心筋血流予備能を測定することができれば、冠動脈狭窄や内膜下梗塞の心筋血流予備能に対する影響をより詳細に検討することができ、冠動脈疾患における冠循環と心筋障害の関係を解明でき、心疾患の包括的リスク評価に寄与すると考えた。
方法:最初に、2013年度の研究計画にて開発した心臓MRIでの冠血流予備能測定プログラムを改良し、心臓全体の冠血流予備能に加えて冠動脈3領域毎の局所心筋血流予備能を測定するためのプログラムを開発した。対象は2009年12月から2014年2月までに当院で冠動脈疾患の疑いで心臓MRI検査と冠動脈造影検査を施行した患者(55例、年齢67±9歳、男性32例)とした。冠動脈狭窄は冠動脈造影で評価した。
結果:冠動脈疾患の検査前確率は68% [4分位29-93%]であった。冠動脈造影検査にて主要血管の70%以上の狭窄あるいは左主幹部の50%以上の狭窄を165血管のうち62に認めた。狭窄病変での心筋血流予備能は、非狭窄病変と比較して有意に減少していた(1.71±0.78 対 2.00±0.96, P=0.04)。狭窄病変のみを対象とした場合には内膜下梗塞のある領域ではない領域を比較して、心筋血流予備能は有意に低下した(1.24±0.28 対 1.95±0.85, P=0.0004)。
結論:今回改良したプログラムを使用して局所心筋血流予備能をMRIで測定することが可能となった。これによって、心筋血流予備能の低下は、冠動脈狭窄に加えて内膜下梗塞が規定因子であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MRIで撮影した心筋血流イメージから定量的心筋血流予備能を測定するプログラムを開発できた。さらに、冠動脈疾患において心筋血流予備能を測定し、その障害が冠動脈疾患の解剖学的重症度と関連することを明らかにした。今後、我々が開発したこのプログラムとMRI検査によって心疾患患者の包括的リスク評価が確立できると期待できる。

今後の研究の推進方策

心臓MRIでの冠血流予備能測定プログラムを改良し、心臓全体の冠血流予備能に加えて、冠動脈領域毎および心内膜側の局所冠血流予備能の測定が可能となった。このプログラムの再現性、精度を確認して、日常臨床で実際に利用できるか検討する予定とした。

次年度使用額が生じた理由

2014年度に心臓MRIでの冠血流予備能測定プログラムを改良し、心臓全体の冠血流予備能に加えて、冠動脈領域毎および心内膜側の局所冠血流予備能の測定が可能となった。ただし、このプログラムの再現性、精度の確認ができておらず、次年度に評価する必要でてきたため未使用額が発生した。

次年度使用額の使用計画

このプログラムの再現性、精度を確認するためにプログラマーを一名雇用する(266,908円)。また、この結果を国内学会での報告のための旅費(100,000円)を計上した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Quantification of per-vessel coronary flow reserve by 3T-MRI is feasible in patients with coronary artery disease2015

    • 著者名/発表者名
      納谷昌直、富山勇輝、真鍋治、菊地穏香、竹内敬介、加藤知恵次、小原雅彦、玉木長良、真鍋徳子、筒井裕之
    • 学会等名
      日本循環器学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪市)
    • 年月日
      2015-04-23 – 2015-04-26

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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