研究課題/領域番号 |
24591744
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
津田 雅視 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10312555)
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研究分担者 |
麦倉 俊司 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20375017)
松浦 智徳 東北大学, 大学病院, 助教 (50623188)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 膵血流 / 定量解析 / MRI / ALS |
研究概要 |
3T MRIによる膵血流の画像化はこれまで行われいてない試みであるため、健常被験者を対象とした研究計画を作成し、当施設の倫理委員会に提出・承認を得るための撮像条件の決定に必要な情報収集を行った。今年度の5月にエディンバラで開催されたヨーロッパ腹部放射線学会に出席し、膵臓も含め肝臓・腎臓などの領域での血流の画像解析に関する発表を聴講し情報収集に努めた。同学会では、自己免疫性膵炎におけるMRIの拡散強調画像所見の解析結果に関する発表を行っている。MRIの撮影シークエンスに関する書籍を購入し、膵臓を含めた腹部実質臓器の血流解析に関連した文献検索も行いMRIでの膵血流解析に必要な撮影条件の検討を行った。 本研究はMRIによる脳血流の画像解析に実績のある麦倉俊司を分担研究者として開始したが、研究の進捗にともない消化器領域の画像診断を専門とする研究者による研究のさらなる推進を図るため、現在は全国規模の研究会である膵perfusion CT研究会の世話人の1人でもある松浦智徳を分担研究者に加えることとした。 2名の研究分担者と協同で研究計画に必要な撮影条件の検討を行い、同時に健常者を被験者とした研究であるため、実施前に人権の保護・法令遵守への対応として個人情報のデータの匿名化の方法やデータの保管場所、被験者に提示するインフォームドコンセントの文書などを検討し、東北大学の倫理委員会に提出・承認を得るための書類作成を行った。倫理委員会への研究計画書の提出は研究分担者の松浦智徳が行い、現在は承認待ちの状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Arterial Spin Labeling (ASL)法を使用した3T MRI での膵血流解析は初めての試みであるため、今年度はヨーロッパ腹部放射線学会に出席し、腹部の機能画像に関する最近の知見の情報収集を行い、文献検索からの結果とも併せて当施設で使用可能な3T MRIの機種および撮像条件の検討を行った。 また、研究をさらに推進させるため全国規模の研究会である膵perfusion CT研究会の世話人の1人である松浦智徳を分担研究者として加えた。 健常被験者を対象とした3T MRI の膵血流解析は今年度に開始できなかったが、研究計画は当施設の倫理委員会に提出済みであり、承認が得られ次第、平成25年度より開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
検討に基づいて決定した撮影条件・解析法を使用して健常成人被検者を対象とした膵血流解析を次年度より開始する。計測に必要な膵実質へのROI の膵頭部・体部・尾部の3 ヶ所に設定し、局所の血流解析を行う。 解析された結果の同一の計測者と異なる計測者の間での数値の再現性を検証し、個々の結果について解析を行い、intra-observer およびinter-observer 間の解析結果を比較することで値の再現性を検証する。 3T MRI の膵血流解析で健常成人被検者より得られる正常値を従来のCT による膵 血流解析で報告されている正常値と比較し乖離の有無を検証する。 個々の結果につき国内・国際学会に発表を行い、最終年度に論文投稿を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、当初は今年度末に開始予定であった健常被験者を対象とした3T MRI の膵血流解析を次年度から開始することにより生じたものである。健常被験者を対象とした3T MRI の膵血流解析を実施するにあたり、被験者への謝礼などに必要な経費として、平成25年度請求額と併せて使用する予定である。
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