研究課題
3テスラMR装置を用いて排泄性膵管撮影法の開発を行った。健康な被験者の膵臓を重度T2強調脂肪抑制高分解能3次元FLAIR(hT2W-3D-FLAIR)で撮影し、反転時間(IT)を1600~1900msecで変化させて膵臓の撮影を行い、主膵管の信号が完全に消失するITの設定を行った。ITを1700msecで主膵管の描出が消失することを確認し、膵液の日内変動の影響も認めなかった。被験者8名に対して0.2ml/kgのガドリニウムMRI造影剤の静注前と静注0.5時間後から1.5時間毎に6.5時間後まで6回のhT2W-3D-FLAIRを用いた排泄性膵管撮影を行おこなった。その画像を2名の読影実験者が重度T2強調脂肪抑制3次元撮影法(hT2W-3D-TSE)で撮影された通常のMRCP画像と対比し、主膵管の描出能を評価した。また同時に主膵管と膵実質との信号値を計測し、その経時的変化を定量的に評価した。全例で造影前のhT2W-3D-FLAIRでは主膵管の信号は消失しており、造影0.5時間後に4例、2時間後に7例、3.5時間後と5時間後に2例、6.5時間後に1例で主膵管の描出を認めた。描出部位は膵体部での描出能が最も良く、膵尾部での描出能が低かった。主膵管と膵実質との信号比は0.5時間後と2時間後の信号では有意差を認め信号比が高かった。実験結果から静注したガドリニウムMRI造影剤が主膵管内に排出され、それをhT2W-3D-FLAIRで画像化することが可能でることが分かり、これらの結果を学会と論文で発表した。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Nagoya Journal of Medical Science
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