研究課題
本年度は生体部分肝移植術後に肝障害を生じた患者におけるMRIによる非造影のperfusion画像、washout画像及びIVIMを用いたMR線維化画像と各臨床データ、造影CT像、ドップラー超音波検査所見、門脈及び肝静脈の直接造影・圧測定、肝生検の病理学的所見との比較検討を行った。Time-SLIP法を併用した非造影肝静脈血流washout画像における至適撮像条件が確立されつつあったが、特定の門脈血流速度、血流方向を反映させた非造影MR perfusion門脈画像や特定の領域における肝静脈うっ滞に関しては、良好な結果が得られず、Tagパルスの設定部位や最適なinversion時間を含めた至適撮像条件が確立できていないことが症例を重ねることで明らかになった。そこで非造影肝静脈血流washout画像の撮像方法をTime-SLIP法を併用したbSSFPから、Time-SLIP法を併用しないMPRAGE法に変更、撮像条件を再検討した。TI時間を肝実質が無信号となるように設定したTime-SLIP法を併用しないMPRAGE法が、非造影肝静脈血流washout画像として有用なことが確認された。本方法を用いて、生体部分肝移植術後に肝障害を生じた症例での評価を行い、MPRAGE法を併用した非造影のMR門脈perfusion画像、肝静脈血流washout画像及びIVIMを用いたMR線維化画像の臨床的有用性を示し、本法が侵襲性の高い門脈及び肝静脈の直接造影・圧測定、肝生検と同程度の情報をもつ検査となり得るかどうかを明らかにしたいと考えている。
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