研究課題
本年度は、ADCのみならず、IVIMやKurtosisを含めた拡散強調画像由来のパラメータを用いた乳腺腫瘍の良悪診断について、昨年度までに学会で発表してきた成果をまとめ、論文のAcceptに至った。そこでは各パラメータ値をピクセル単位で計算し、従来画像と併せて画像上に表示するカラーコーディングの有用性については例として示したにとどまった。しかし、本年度の学会発表においては、さらに一歩進めてマップ表示の可能性をしめし、拡散強調画像由来のパラメーターが乳腺腫瘍のMRIにおいて有用な診断の手がかりとなること(ISMRM 2014)についても提唱を行った。乳房MRI診断のもう一つの重要な役割である術前治療の効果、および予後予測の評価についても、上記の手法を適応し検討を行い、秋には学会報告をおこなった(AOCR2014)。ただし、これらについては症例数の蓄積および半年から1年後の手術の結果や、その後の経過観察が必要となるため、引き続き症例を追跡しデータを収集しつつ、まとめる予定である。上記の検討のほとんどは、多数のb値を用いたDWIデータを用いて行っているが、撮像時間がかかり画質の向上に限界があるため、上記の検討で得られた有用なパラメーターを得るためのb値数を減らせないか、ボランティアでの撮影も行っており、こちらについても解析検討中である。これらと並行して行った研究として、ADCと病理像、特に増殖能のパラメーターとして知られるKi-67との相関についての成果を、粘液癌についてまとめ発表、さらに拡散強調画像のリンパ節転移診断における検討も併せて行い現状の有用性と限界を示した。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
Investigative Radiology
巻: 50 ページ: 205-211
10.1097/RLI.0000000000000094
Clinical Imaging
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10.1016/j.clinimag.2014.04.016