研究課題/領域番号 |
24591760
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡邉 嘉之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20362733)
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研究分担者 |
藤中 俊之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00359845)
和田 成生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70240546)
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キーワード | 脳動脈瘤 / CFD解析 / MRA / 血流解析 / Phase-contrast |
研究概要 |
2014年3月31日現在、25症例に MRIおよびDSAを施行し、23例でCFD解析を施行している。4D-PC-MRAデータから入口条件、出口条件を設定し、その結果を基にCFD解析を行う方法を初年度に確立している。 平成25年度は、上記方法でCFD解析を行った結果と実際の4D-PC-MRAと血流データを比較することにより、両者の整合性の確認を行った。 分岐部動脈瘤5例での検討結果では,分岐後の娘血管における流量分配比を計測データと合わせるように出口境界圧力を同定したため,出口境界圧力に一般的に0 Paを与えた場合と比べて,分岐後の娘血管において計測データとの速度場の差異が小さくなる傾向が得られた.しかし,出口圧力を同定した結果は出口圧力ゼロ条件の結果と比べて,親血管において計測データとの速度場の差異は変化せず,瘤においては,依然として大きな差異が見られた.また,CFD解析から得られた速度場と位相コントラストMR画像から得られた速度場を3つの指標を用いて定量的に比較した.その結果,出口圧力を同定した結果は出口圧力ゼロ条件の結果と比べて,速度ベクトルの大きさの差異を評価する指標は,娘血管において大きく減少し,瘤においても減少する傾向が得られた(親血管 31.2±9.5 and 31.1±9.6、動脈瘤 101.5±40.5 and 95.2±28.2、遠位血管52.8±16.6 and 50.2±18.6、それぞれ出口条件同定 なし、あり)..速度ベクトルの方向の差異を評価する指標は,出口圧力ゼロ条件の結果と比較して,どの領域においても顕著な差異はなかった.しかし,CFD解析と位相コントラストMR画像の速度場の差異は瘤を含め,分岐前の親血管および分岐後の娘血管においても大きかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MRI-CFD融合解析法を確立し、H25年度ではMRAによる血流データとCFDによる計算結果の差異を検討した。今後は論文報告を考えている。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度の検討で、PC-MRAとCFDでは速度ベクトルの傾向には大きな差異がないが、絶対値の評価では差異があることが判明した。今後はその差異をより少なくするために、入口条件、出口条件を合致させるだけでなく、各計測点での補正を行う新しい解析法を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
59,637円 の予算にて購入できる機器がなかったため H26年度は、論文執筆費用、ソフト使用料、学会発表などに使用する予定である。
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