研究課題/領域番号 |
24591761
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大西 裕満 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20452435)
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研究分担者 |
堀 雅敏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00346206)
巽 光朗 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (60397700)
金 東石 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80283753)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 磁気共鳴画像 / 非アルコール性脂肪肝炎 / Dixon法 / 脂肪定量 / T2*値 / 肝機能 |
研究概要 |
本研究は磁気共鳴画像のIDEAL-IQ法という技術を用いて肝臓の脂肪あるいは鉄沈着評価を行い、最終的には非アルコール性脂肪肝炎の病態モデルを解析することを目的としている。 初年度はIDEAL-IQ法による脂肪あるいは鉄沈着評価の技術的側面について改めて検討した。IDEAL-IQ法は、従来のDixon法を応用した技術であり、グラディエント・エコー法において異なる6エコー分の画像データを収集し、水と脂肪におけるプロトンのスピンの位相差を利用して、T2*減衰を考慮した脂肪定量(fat fraction)を行うものである。肝臓では脂肪は中性脂肪として蓄積されているが、中性脂肪に含まれるプロトンの共鳴周波数は単一のスペクトルではなく、その分子結合様式により6個のスペクトルを示す。従来のDixon法をベースとした磁気共鳴画像による脂肪定量においては、脂肪は単一の周波数を有するものとして解析されてきた。しかしながら、最新の知見では複数のスペクトルを考慮に入れた計算をすることでより正確に脂肪定量あるいはT2*値の評価が行える可能性があることがわかってきた。本検討においてもこれらの影響を考慮して検討を行っていく必要があると考えられた。 また、肝臓の脂肪沈着における肝機能への影響についても、臨床における肝臓の磁気共鳴画像のデータを用いてレトロスペクティブに検討を行った(本検討における脂肪定量については従来のDixon法を用いた)。その結果、単なる脂肪沈着のみでは肝機能への影響はほとんど認められず、肝機能の変化がある場合には線維化など別の要因が併存している可能性が示唆された。本検討に関しては英文学術誌に投稿し、現在印刷中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度においてはIDEAL-IQという撮影技術を用いた磁気共鳴画像による脂肪あるいは鉄沈着評価の妥当性についてのファントム実験も行う予定であった。しかしながら、当該の磁気共鳴装置の当施設への設置が平成24年度末であり、装置の調整などのため平成24年度中にはファントム実験を行うことはできなかった。ファントム実験は磁気共鳴装置の調整が完了次第、平成25年度始めに施行する予定である。当初の予定からはやや遅れが生じているものの十分回復可能と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度においては、まず磁気共鳴装置の調整が完了次第、磁気共鳴画像による脂肪あるいは鉄沈着評価の妥当性についてのファントム実験を行う。その後に当初の予定通りに非アルコール性脂肪肝炎疾患モデルマウスを用いた検討を行う予定である。 平成26年度においては臨床症例における検討を予定しているが、その一部である肝臓の脂肪沈着における肝機能への影響についての検討は平成24年度にすでに行った。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費についてはファントム実験に関わるファントムの材料費およびその他実験に必要な物品の購入に用いる予定である。
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