研究課題/領域番号 |
24591771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古森 正宏 九州大学, 大学病院, 助教 (90529819)
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研究分担者 |
西牟田 雄祐 九州大学, 大学病院, 医員 (10635220)
浅山 良樹 九州大学, 大学病院, 助教 (40380414)
鶴丸 大介 九州大学, 大学病院, 助教 (90419565)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 進行胃癌 / 進行大腸癌 / 動脈性血行 / MDCT |
研究概要 |
今回、術前大腸癌の動脈性血行の評価を正確に行うために腫瘍の容積データを用いた独自の手法によるvolumetryを行った。管腔に空気を満たすことにより腫瘍はCT値の異なる比較的均質な組織(脂肪)、物質(空気)により取り囲まれるため、閾値設定により、組織の分離が可能となる。具体的な手順は、大腸内視鏡で十分に腸液を吸引後にCTコロノグラフィ-(CTC)を施行。1.腫瘍を含む領域を抽出、2.CT値0HU<で抽出、3.腫瘍輪郭をマニュアルでトレースし正常壁と分離、4.周囲臓器、血管をMPRと比較し分離する。術前CTCが行われた進行大腸癌62例を対象に動脈、門脈相における容積データを用いvolumetryを行った。平均腫瘍体積(cc)は13.9±14.9、標本腫瘍径(cm)は4.1±1.5で相関係数は0.79であった。動脈相、門脈相におけるvolumetryの比較では、腫瘍体積は相関係数0.99とほぼ一致した結果であり信頼性の高い方法と考えられた。動脈優位相の容積データを用いた根治術後のpStage別での比較では、平均腫瘍体積(cc)はpStageの進行とともに体積が増大する傾向(pStageI;3.9, pStageII; 16.7 ,pStageIII;14.4 ,pStageIV;22.4)があるのに対し、腫瘍平均CT値(HU)はpStageの進行とともに低下する傾向(pStageI;81.0, pStageII; 80.9 ,pStageIII;74.4 ,pStageIV;70.6)が見られた。、再発あり群の平均CT値72.4±10.2HUは再発なし群の平均CT値は79.9±18.1HUよりも低かった。臨床的悪性度は原発巣における動脈性血行低下や壊死との関連が推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微小血管造影、透徹標本の作製は、基礎実験から開始する必要があり時間を要するものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
術前MSCTにより腫瘍の造影剤増強パターンを解析。定量的評価に基づき、腫瘍血流の多寡に応じて多血群と非多血群に群分けする。 各群の切除標本の病理所見(大きさ、深達度、脈管侵襲、壊死の程度、リンパ節転移)を比較し、病理学的構築に違いがあるか否か検討する。血管構築については、微小血管造影の技術獲得に時間を要するのであれば、低酸素誘導因子の発現状況、腫瘍内血管数などについて免疫組織学的手法で評価することも考慮している。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.データ整理、解析:パソコン、各種ソフトウエア。 2.病理学的評価:実体顕微鏡および画像解析ソフトもしくは免疫組織学的検索のための試薬。 3.国内外での研究会への参加、成果の発表。
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