研究実績の概要 |
MRI上、腫瘤非形成性病変を呈した87症例にたいし、拡散テンソル画像を撮像し、病理学的T因子(Tis+T1Mi, T1a+T1b, T1c, T2)により4群に分類し、Tis+T1Mi群と他3群との間、および病変と正常乳腺間で、FA値、ADC値を比較した。 Tis + T1Mi群以外では、病変部の平均ADC値が正常乳腺部の平均ADC値よりも有意に低値を示した。 T1a+T1b, T1c, T2群の、それぞれの病変部の平均ADC値は、Tis+T1Mi群と比較して有意差を認めなかった。また、T1a+T1b, T1c, T2群の、それぞれの病変部の平均FA値は、Tis+T1Mi群と比較して有意に低値を示した。以上より、MRI上、腫瘤非形成性病変を呈す乳癌症例において、拡散テンソル画像から得られるFA値は病理学的T因子の予測に有用である可能性が示唆された。
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