前年度までの実績を踏まえ,平成26年度は①ASL-MRI非造影灌流画像の撮影プロトコルを再検討し,改良することにより健常例のみならず,臨床例への応用を目指すこと,②さらに臨床例で妥当なデータが得られたら,それを解析し,ASL-MRI非造影灌流画像の有用性を検討する,③造影CT灌流画像の造影方法を再検討し,臨床例でのデータ蓄積を行い,その結果を検討する,④最終的にASL-MRI非造影灌流画像から得られた膵組織血流量と造影CT灌流画像から得られたそれを対比することにより,造影CT灌流画像の代替検査としてASL-MRI非造影灌流画像が利用可能かを検討する,ことを目標とした. ①に関してはある程度の臨床例でASL-MRI非造影灌流画像を作成できた.②に関しては,前年度と同様に得られたデータにバラツキが大きく,安定した結果を得ることは困難であった.③に関しては予期した結果が得られた.しかしながら,②において満足できる結果が得られなかったため,④に関しての検討はできなかった. ASL-MRI非造影灌流画像のデータを安定的に得るためには,水流ファントム実験系の検証と基礎的データの蓄積にまで立ち戻って再検討を行い,基礎的データの蓄積を見直すことが必要になると思われる.大きなプロトコル変更が必要になれば時間がかかるが,これまでの経験ではマイナーチェンジですむことが予想されており,②さらには④の検討も近い将来に可能となると予測している.
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