研究課題/領域番号 |
24591778
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宇都宮 大輔 熊本大学, 生命科学研究部, 講師 (30571046)
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研究分担者 |
尾田 済太郎 熊本大学, 生命化学研究部, 助教 (80571041)
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キーワード | マルチスライスCT / 4D-CT / 冠動脈バイパス術 |
研究概要 |
心臓4次元CTによる術前ナビゲーションシステムの開発にむけて、本年度は新しい逐次近似画像再構成法(IR)の検討を行った。 これまでフィルタ逆投影(FBP)、ハイブリッド型IRが主流であったが、低管電圧(100kVp)CTに新たなモデル型IR(”Full” IR)を応用することの意義について検証した。 4D-CTにおける大きな問題点は連続的にX線曝射を行うことによる被ばく量の増加であり、これを低減することには重要な意義がある。放射線被ばくを低減するにはX線管電圧を低下させる、もしくは管電流を低下させることが有効である。冠動脈のCT値に対してモデル型IRは 従来法と変化はなく、CT値の変動をもたらさない、すなわち悪影響を与えないことが分かった。また、画像ノイズはモデル型IRにおいて11.3 ± 2.8 HUであり、従来のFBPにおける 51.9 ± 12.9 HU、ハイブリッドIRにおける23.2 ± 5.2 HUより有意に少ないことが分かった。また、冠動脈だけでなく、大動脈弁や心筋構造の視覚評価においてもモデル型IRで優れており、高コントラストおよび低コントラスト検出能の向上が得られていることが分かった。 低管電圧CTに最新のIRを応用することで、低侵襲で4D-CTを行えることが分かり、実際の4D-CTの臨床応用にむけて来年度以降の研究を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心臓の4D-CTを行うための撮像プロトコール、低侵襲性と画質の評価がおおむね終了し、今後の4D-CT作成が可能な状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
心臓手術患者における心電図同期ヘリカルスキャンを行い、3D-および4D-CT作成基準を確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究期間後半のH26、27年度に読影実験およびその統計解析を行う予定であり、そのための機材、統計ソフト等を購入して研究を進める予定である。 読影実験用コンピュータ/モニタ 専用の統計ソフト
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