研究課題/領域番号 |
24591782
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
村山 貞之 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60239548)
|
研究分担者 |
神谷 尚 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60363678)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | PC-MRI / 肺高血圧症 / 間質性肺炎 / 肺動脈血流量 / 慢性肺動脈血栓塞栓症 / 肺動脈拡張術 |
研究概要 |
phase-contrast cine MRAによる肺高血圧患者の治療効果判定についての研究の経過報告である。①今年度は慢性肺血栓塞栓症に対する血管拡張術前後で治療効果判定にphase-contrast MRIが有用であるか検討した。両側の肺動脈拡張術を施行された患者で治療後評価でエコーでは効果良好と判定されたが、MRIでは右のみ治療効果良好と判定された症例があった。この症例は、のちにエコー上の肺動脈圧が上昇し、肺シンチや肺動脈造影で左肺動脈血栓の再発が示された。このようにPC-MRIでの左右を分離した治療効果判定が特に有用と考えられる。2013年6月に開催される学会で2症例の報告を行う予定である。②MRIの機器によるPC-MRIの再現性の検討に関しては、本年度は共同施設との打ち合わせを行った。2013年4月~5月に両施設で被験者のデータを収集する予定である。③間質性肺炎は肺高血圧を合併することがあり、肺高血圧を合併すると予後が著しく悪くなる。蓄積された症例を後向的に検討し、急性増悪をきたした患者とそうでない患者を分けて、両者の血流量を比較した結果、急性増悪群で有意に肺血流量が低下している事がわかった。このことから肺高血圧症合併間質性肺炎では急性増悪のリスクが高まることが予後を悪化させる一因であることが示唆される。④肺高血圧症合併間質性肺炎では間質性肺炎による低酸素血症が肺高血圧を助長していると報告されてきた。間質性肺炎患者に酸素投与を行い、低酸素血症を改善させ、肺血管抵抗が変化するかPC-MRIを用いて検討した。結果は低酸素血症が有意に改善しても、肺血管抵抗は変化しないことがわかった。これにより間質性肺炎による肺高血圧症は低酸素血症以外の要因の関与が大きい可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共同研究の基礎となる施設間のMR機器の再現性について、本年度でデータを収集する予定であったが、達成できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
今回の検討でPC-MRIは肺高血圧の治療効果判定のみでなく、間質性肺炎急性増悪のリスク評価にも有用である可能性が示唆された。今後は治療効果判定のみでなく、リスク評価に関する検討も視野に入れ症例を蓄積していく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費使用計画 ①MR機器による再現性の検証に関して被験者の旅費、検査費用、謝金 ②研究成果発表に関する費用
|