研究概要 |
64Cu-DOTA-RDGあるいは、 64Cu-DOTA-PEG-RGD PET検査を動物実験にて実施した。薬剤合成は専用の薬剤合成システムを使用した。種々の動物腫瘍モデルでの検討し、[18F]FDG、[18F]FLTの集積データとも比較した。動物専用のPET装置を使用し、検査は、ベースラインが1コース目開始前、interimとして3コース目開始前の撮像とした。治療薬に反応性が悪い個体があったため、モデル動物の準備に時間を要した。薬剤の静脈注射直後60分よりデータ収集を開始し、連続的にダイナミック収集を実施した。また、得られた各時相の画像上にROI(Region Of Interest)を取り、時系列の薬剤取り込み能評価のため、タイムアクティビティカーブ(TAC)を作成後、各癌の存在する臓器の血行動態を考慮し2コンパートメント解析を実施した。画像データ収集は問題なく実施できた。Static dataとしてSUVmax, SULpeak, TLG, TMV、dynamic dataとしてKtrans(K1), Kep(K2), AUCを算出した。診断は、専用のワークステーションで作成し行い、視覚的な診断と定量的指標に基づく診断の併用を実施した。半定量指標のうち、TLG、TMVについてはSUVmaxやSULpeakと比較し標準偏差が大きい傾向があった。dynamic dataとしてKtrans, Kep, AUCを解析したが、プロファイルカーブの近似関数は6次式のフィッティングが最も誤差が少ないと考えられた。CT診断の精度と64Cu-DOTA-RDGあるいは、 64Cu-DOTA-PEG-RGD PET検査を併用した場合の精度を比較し、その補完的有用性を評価した。モデル動物の例数が不十分なため精度算出はまだできないが、特異度が後者でやや高い傾向があった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、動物モデルによる薬効評価について追試を含めて検討する。ヒト投与を前提とした安定した薬剤合成システムの構築を再確認する。第一相試験に向けたスムーズな症例登録と検体採取のための準備を開始する。評価系の構築のため、RECIST1.1, EORTC, PERCIST1.0, Cheson分類, London分類を癌種に応じて使用し最も正確な判定が可能な分類を臨床応用に用いる。
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