研究課題/領域番号 |
24591788
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
京極 伸介 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60205028)
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研究分担者 |
青木 茂樹 順天堂大学, 医学部, 教授 (80222470)
鈴木 通真 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20534811)
田中 史根 順天堂大学, 医学部, 助手 (70621738)
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キーワード | 多発性硬化症 / 視神経脊髄炎 / NABT / DTI / DKI / q-space imaging(QSI) / optic pathway |
研究概要 |
多発性硬化症(MS)に加えて視神経脊髄炎(NMO)においては、通常のMRIでは異常所見を認めないnormal-appearing brain tissue(NABT)や深部白質の視床の障害がMS患者の運動障害や高次機能障害に影響する可能性が高いと考えられている。さらに、視覚障害はMSのほぼ半数以上、NMOの90%以上に認められる障害である。昨年度においては、MS患者の大脳白質や視覚路に対してMRIによる拡散テンソル(DTI)および、新しい手法であるdiffusional kurtosis imaging(DKI), q-space imaging(QSI)を用いて、解析した。大まかに記すと概要は以下の2点に分けられる。 1.MS患者のプラーク病変(MRI上のプラークのtypeを分類;造影効果、ovoid lesion、black holeなど)やNABTの拡散変化をDTI、DKI、QSIを用いてROI studyや画像統計解析、tract-specific analysisによる運動機能や認知機能に関連する神経線維の定性的・定量的な評価を行った。 2. MS患者ならびにNMO患者の視覚障害の解明やその認知機能との関係を解明するべく、DKIを用いて評価し、さらに臨床指標である視覚誘発電位(VEP)との対比を行い、その有用性を検討した。本研究は第41回日本磁気共鳴医学会大会学術奨励賞を受賞した。 3. 多発性硬化症では視床の萎縮および血流・代謝の低下が知られており、視床に生じている微細構造の変化を鋭敏に検出できる可能性を示した。高次認知機能障害などの臨床的指標や神経学的予後との関連について更に検討を重ねたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
詳細は概要並びに業績に記載の通りである。毎月症例数は10例近く撮像し、研究協力者により解析可能な状態となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらなる臨床情報との対比により、結果を包括的に総合し、病変と症状の解剖学的部位との関係のみならず、NABTと健常者や罹病期間での検討、視神経脊髄炎やMSの総合障害度評価尺度:EDSSや機能別障害度:FSと予後について検討、さらに治療前後の拡散変化について検討をしていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費や旅費そして人件費が予定額よりも安く済んだため。 海外学会への参加と物品購入に充当する。
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