研究課題/領域番号 |
24591788
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
京極 伸介 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60205028)
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研究分担者 |
青木 茂樹 順天堂大学, 医学部, 教授 (80222470)
鈴木 通真 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20534811)
田中 史根 順天堂大学, 医学部, 助手 (70621738)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 多発性硬化症 / 視神経脊髄炎 / NABT / DTI / DKI / NODDI |
研究実績の概要 |
多発性硬化症(MS)に加えて視神経脊髄炎(NMO)においては、通常のMRIでは異常所見を認めないnormal-appearing brain tissue(NABT)や深部白質の視床の障害がMS患者の運動障害や高次機能障害に影響する可能性が高いと考えられている。さらに、視覚障害はMSのほぼ半数以上、NMOの90%以上に認められる障害である。昨年度においては、MS患者の大脳白質や視覚路に対してMRIによる拡散テンソル(DTI)および、新しい手法であるdiffusional kurtosis imaging(DKI), neurite orientation dispersion and density imaging(NODDI)を用いて、解析した。大まかに記すと概要は以下の2点に分けられる。 1.neurite orientation dispersion and density imaging(NODDI)はDKIから算出可能な解析方法であり、DKIよりもさらに大脳皮質や深部灰白質の微細構造の障害を捉えることが可能である。MS患者のうち脳病変の少ない患者について全脳解析による評価を行った。 多発性硬化症では病気が進行する前の初期の段階において、視床の微細な拡散異常が検出され、視床に生じている樹状細胞の構造変化を鋭敏に検出できる可能性を示した。 2.視覚誘発電位で異常を呈したMSの後頭葉におけるNABTに対しNODDIを用いて解析を行った. NAWMでは正常白質よりも軸索方向の水の拡散にばらつきがあり, 軸索の密度が低いことが予測された. NODDIは従来の拡散テンソルとは異なる理論的背景による解析方法でありMSのNABTにおける新たな評価方法として有用な臨床的指標となることが期待される.
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