研究課題/領域番号 |
24591789
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
近藤 千里 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90192070)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | エックス線・CT |
研究概要 |
本研究の実施に先立ち、N-13アンモニアPET/CTを以下の方法で3名の正常ボランティア、3名の糖尿病患者について実施した。 Time-of-flight 高感度PET/CT 装置(mCT64, Siemens Medical Solutions)を用い、安静、負荷ともN-13アンモニア(300~370MBq)を10秒間かけて左肘静脈内に投与し、投与開始時から連続的にリストモード収集を10分間行った。減弱補正用CT収集は、すでに学内倫理委員会において承認された方法に従い、自発呼吸下、終末呼期息止め、呼吸同期の3方法により、いずれも管電流10mAにて行った。安静データ収集後、30分以上置いた後、右肘静脈よりのアデノシン投与(0.12mg/min/kg)を行い投与開始4分後よりN-13アンモニア(300~370MBq)を10秒間かけて投与し負荷データを収集した。心筋および左室内腔の時間放射能曲線をダイナミック収集データから求め、RIの時間減衰、部分容積効果、スピルオーバーを補正したのち心筋血流量を算出した。 この方法により、心筋血流量の測定に6名において成功した。正常ボランティアでは、負荷時の安静時に対する心筋血流量の比(心筋血流増大予備能)はいずれも3.0以上、糖尿病患者では1.0-2.0と低値を示し、従来の文献上の報告値に一致することを確認した。 この実績により、本研究の実施計画に記載された方法の妥当性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度においては、本研究において使用するPET/CT装置の設置が行われ、それに引き続き実施研究計画に使用するN-13アンモニアの供給準備を行った。その開始が平成24年8月以降となった。さらに検査実施にあたり、具体的な手順の詳細と得られた結果の詳細を行った。予備試験としておこなった2名の正常ボランティアにおいて、期待する結果が得られなかったため、さらに実施手順の再検討と改良を行った。平成24年度12月になり、安定した結果が得られるようになり、本研究におけるN-13アンモニアPET/CTの具体的な実施プロトコールが確定した。以上から、当初12月ころより予定していた当該年度内における研究開始が不可能となり、平成25年度よりの開始に計画を変更した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度中に、上記のPET検査に加えて、本研究を構成する320列CT装置を用いた実施計画の詳細をすでに検討している。平成25年5月開催予定の学内倫理委員会に研究実施計画を提出する。その倫理委員会による承認を得た後、平成25年7月ころより、実際の患者を対象とした研究計画を開始する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、平成24年度未使用分を含んだ研究費(2,200,000円)を、検査代(CT検査、PET/CT検査)、薬品代(造影剤、ベータ遮断剤、負荷検査薬)、学会等の参加費、に使用する予定である。
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