研究課題/領域番号 |
24591792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
汲田 伸一郎 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234523)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | PET / 急性冠症候群 |
研究概要 |
冠動脈の炎症をFDG-PETで把握するためには、心筋の生理的FDG集積を抑制するための前処置が必要である。従来は低炭水化物・高脂肪食の経口摂取により心筋のエネルギー基質のコントロールを行っていたが、今年度より生理的集積抑制のためのプロトコールとして、24時間前からの低炭水化物摂取という新たな前処置法を確立した。この前処置により、ほぼ完全に心筋における生理的FDG集積を抑制することが可能となり、現在、論文投稿中である。ついで冠疾患症例に関しては、安定労作性狭心症および不安定狭心症例に対しての心筋FDG-PET検査を実施した。本研究計画の予想通り、安定労作性狭心症例の罹患冠動脈にはFDG集積を認めないことを確認した。さらに不安定狭心症例における罹患冠動脈および障害部心筋へのFDG集積の検出に成功した。これはデータ収集法の改良によるところが大であり、PET収集時に高解像モードを用いることにより、微細なFDG集積を捉えることができたものと考える。被験者の選択・抽出に関しても循環器内科および集中治療室との連携を構築し、胸痛発作を認めるものの心筋逸脱酵素に上昇のない、すなわち急性心筋梗塞を除外した狭心症例を抽出できることとなった。さらに健診医療センター(PETセンター)との連携により、胸痛発作後2週間以内に心筋FDG-PET検査を施行できるようにPET検査枠の再構築を行った。これら新たな研究成果に関しては、一部、学会、研究会、雑誌などにて公表を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな生理的FDG集積抑制法を確立でき、さらに不安定狭心症例における罹患冠動脈のFDG集積検出に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究における不安定狭心症例のエントリーを重ね、罹患冠動脈部におけるFDG集積を確認し、生化学マーカーとの対比を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでと同様に不安定狭心症例を対象としたFDG-PET検査における原料費に対し使用する予定である。また逐次、研究内容を報告するための学会費用として使用する予定である。
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