研究課題
前年度は、放射線治療モデルマウスで、照射後の[11C]AIBの取込みの変化をみることで、治療効果判定に有用かどうかを評価した。その結果、腫瘍取込みと腫瘍サイズの間には相関はなく、[11C]AIBの取込みの変化は、腫瘍サイズとは異なる要因が関係していることが示唆されたことから、今年度は、照射後の経時的な増殖指標、細胞死、アミノ酸トランスポーターの発現と腫瘍取込みに相関があるかどうかを検証した。その結果、Ki-67インデックスやアポトーシス陽性率との相関はなかった。[11C]AIBは、主にアミノ酸トランスポーターシステムAで取込まれることから、その構成トランスポーターであるSLC38A1、SLC38A2、SLC38A4の発現を調べたことろ、SLC38A1の発現と[11C]AIBの腫瘍取込みが相関した。照射後早期の取込みの変化はSLC38A1が関与していることが示唆された。アルファ-エチル[11C]メチルグリシンを安定的に得る標識合成法を反応中に発生するラジカルを阻害することで確立した。他のアルファメチルアミノ酸でも検証したところ、収率が上がることが確認された。この方法は広くアルファメチルアミノ酸の11C標識合成に有用であることが示唆された。[11C]ヨウ化エチルを効率よく得るために、MeLi溶液の濃度や溶媒の種類、反応温度や反応容器の形状の検討を行ったが、高い収率を得ることはできなかった。今後さらなる検討が必要と考えられた。
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