研究実績の概要 |
24年度は臨床の状況を反映する同所移植膵臓癌モデルを確立することに成功した。25年度は、当モデルを用いて膵臓癌の診断・治療に応用可能なPETイメージングプローブの候補である三つ(64Cu-RAFT-RGD、11C-Sorafenib、11C-DAC)の内, 64Cu-RAFT-RGDプローブに焦点をおいてin vitro、in vivo 実験などを行った。αvβ3インテグリンをターゲットする64Cu-RAFT-RGD プローブを用いて小動物PETイメージングを行い、18F-FDG-PETと比較した。PET後造影CT(CECT)を行い、PET/CECT融合イメージより得られた画像解析から64Cu-RAFT-RGDプローブの腫瘍への集積、集積の特異性、他の組織への分布、クリアランスなどを調べてからプローブの実用性を検討した。腫瘍と非腫瘍組織へのプローブ蓄積とプローブ特異性をex vivoオートラジオグラフィー法、組織化学的染色法、免疫組織化学的染色法、免疫蛍光試験などによって総合的に検証した。26年度は、他の候補プローブである,11C-Sorafenibと11C-DACのために、様々な膵臓癌細胞株と腫瘍におけるターゲット分子PBR(11C-DAC)、VEGFR1, VEGFR2(11C-Sorafenib)の発現をWestern blottingやfluorescence-activated cell sorting (FACS)、免疫組織化学的染色手法などで調査した。同所移植膵臓癌モデルや皮下異種移植腫瘍モデルを用いてプローブの体内分布や予備PET実験などを行った。前年度は、11C-Sorafenibと11C-DAC を用いて再実験などを行いましたが有意な集積、特異性などが認められなかった。それで、代わりに使えそうな他の候補ターゲット分子の検討などを行いました。
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