研究課題/領域番号 |
24591805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
木村 裕一 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 室長 (60205002)
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研究分担者 |
外山 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (90247643)
本谷 秀堅 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60282688)
籏野 健太郎 独立行政法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (50228475)
山田 貴史 中部大学, 公私立大学の部局等, 助手 (50531860)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 分子イメージング / PET / 核医学 / 生体信号処理 / 動物実験 |
研究概要 |
自動採血系の開発については、1回当たり数μLの血液を、最短で10秒間隔、ま15分程度の採血間隔で自動的に採血を実行するシステムの動作原理を確立し、プロトタイプシステムを製作して使用した結果、マウスより所期の自動採血が実施可能であることを確認した。マウスでは血圧による血液の自噴が期待できないことから、採血の際に積極的に血液を引く必要がある一方で、引きが強過ぎる場合結果の閉塞をもたらし、採血が不可能となる。引く圧力を適切に設定することで、この問題を解決し得た。来年度は、より実機に近い実証システムを製作し、その検証を通してμL単位での自動採血系の実現を目指す。 代謝物分析計の開発では、11C-ラクロプライドを使用した測定を予備的に実施し、代謝物分析が可能であることを確認したことから、例数を増やすことで、真いすに対する微笑採血を伴う代謝物分析手法の確立を進める。 雑音除去アルゴリズムについては、Bayes推定に基づいてアルゴリズムを提案し、シミュレーションを実施した結果、所期の性能が達成可能であることを確認した。しかし、計算時間に問題があることも明らかとなったことから、改善が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自動採血系については想定していたシステム方式が有効であることが明らかになり、実証期の製作に移行することができたことから、予定以上の進捗であった。代謝物分析については、実験系の構築に手間取った結果予備実験に止まった。しかし、実験手技は確立し得たので、来年度以降は予定の進行が期待できる。雑音除去アルゴリズムについては、予定通りシミュレーションによってアルゴリズムに目処が付いたことから順調に進捗している。以上から、当該テーマは、全体として概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
自動採血系については実証機による検証を通して、提案手法に基づいた自動的な微少採血システムの確立を進める。代謝物分析については、例数を確保するための動物実験を実施することで、微少採血下での代謝物分析を伴う実験プロトコルの確定を図る。また、雑音所アルゴリズムについては、以上の実験で得られた実際の動物のデータを使用して、提案アルゴリズムの性能評価と問題点の抽出を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は実験の実施が中心となることから、実験に必要な消耗品費として実験を実際に担当する山田に40万円を配分する。また、木村はアルゴリズムの速度改善を図るために、ある程度の計算能力のある計算機系を整備する必要があることから、60万円を使用する。また、研究グループ内での打合せや成果発表のための旅費として残額を配分する。
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