研究課題/領域番号 |
24591805
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
木村 裕一 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (60205002)
|
研究分担者 |
外山 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90247643)
本谷 秀堅 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60282688)
籏野 健太郎 独立行政法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (50228475)
山田 貴史 中部大学, 公私立大学の部局等, 助手 (50531860)
|
キーワード | 分子イメージング / PET / 核医学 / 動物実験 / Bayes推定 |
研究概要 |
自動採血系の開発については、1回当たり数μLの血液を、最短で10秒間隔での間隔で自動的に採血を実行するための実機システムを製作してラット及びマウスに試用した。その結果、ラットでは所期の自動採血が実施可能であることを確認した。しかしマウスでは、動作の安定性が血圧に影響される傾向が見られたことから、血液をシステムに導入するためのカテーテルの内径を増加することで、低血圧に対しても対応できるように改良する予定である。実機システムで所期の動作が達成できたことから、自動採血の実現の可能性が大きくなった。 雑音除去アルゴリズムについては、血中放射能曲線(pTAC)の既存データ群に対して、pTACの波形に対する統計モデルを構築し、これを先験情報としたBayes推定を行うアルゴリズムを提案した。シミュレーション及び実データに対して適用した結果、既存の最尤推定による方法に対してほぼ同等の推定結果が得られる傾向を得た。本アルゴリズムは血中放射能曲線も推定することから、無採血化の実現の可能性が出てきたことから、更に検討を進める。 代謝物分析法については、実験を重ね、例数の増加を図っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自動採血系については、想定していたシステム方式に基づく実機システムの有効性が明らかになり、μLでの自動採血システムの実現に近付いた。雑音除去アルゴリズムについては、血中放射能曲線の推定も含めたBayes推定アルゴリズムの可能性が想定される状態となった。以上から、本テーマは順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
自動採血系については、改良システムのマウスに対する可用性を、動物実験を通して確認する。その結果をもって、論文化も行う。代謝物分析については、例数を確保するための動物実験を実施することで、微少採血下での代謝物分析を伴う実験プロトコルの確定を図る。また、雑音除去・無採血化アルゴリズムについては、アルゴリズムの性能を確定させると共に、論文化を図る。
|
次年度の研究費の使用計画 |
動物実験のための消耗品を計上していたが、本年度冒頭に実施した実験に於いて、前年度調達した消耗品の残余をその一部に当てることができたために残額が出た。 来年度の実験のための消耗品に充てる。
|