研究課題/領域番号 |
24591806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
大月 和宣 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (50399755)
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研究分担者 |
圷 尚武 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (00344979)
丸山 通広 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (40399754)
剣持 敬 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50215133)
伊藤 泰平 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60509701)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 膵臓移植 / PET / メチオニン |
研究概要 |
【目的】生体および脳死膵移植後のグラフト膵機能評価について比較検討。 【対象】生体膵移植レシピエント12例および脳死膵移植レシピエント5例を対象。 【方法】PET/CTは、11C-methionine約700MBqを静注し、膵機能評価法はSUV(standardized uptake value)を使用。75gOGTTより求めたinsulinogenic index(ΔI.I.)およびHOMA-βを用いて評価。 【結果】生体膵グラフト(18例)は、ΔI.I. 0.83±1.0、HOMA-β 97±85、SUV 5.2±2.0。脳死膵グラフトは機能発現例3例と機能不全例2例がみられた。脳死膵グラフト機能発現例は、ΔI.I. 3.7±4.5、HOMA-β 194±91、SUV 11.3±2.1。脳死グラフト機能不全例2例は、ΔI.I.およびHOMA-βは計測不能、SUV 2.9±1.0であった。 【考察】脳死膵グラフトは、生体膵グラフトと比較し従来からの膵機能評価法およびSUVにおいて約2倍の高値であった。SUVは、単位体積あたりの膵機能評価を反映しているので、脳死グラフトは生体部分膵移植と比較し、全膵グラフトという膵体積上の有意性に加え良好な膵機能発現グラフトと考えられる。11C-methionine PET/CTは、生体および脳死膵臓移植を定量的に評価可能有用な検査法と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 11C-methionine PET/CTによる臨床例の評価は、術後ある一定の時期に評価しないと評価時期の統一性がとれないため臨床例を毎月評価してきた。計画当初より、まず臨床例である程度の有用性を具体的に示す必要があると考えていた。今回5例の脳死症例の評価を以前に評価した生体膵臓部分移植症例と比較したが、予想以上に脳死膵臓移植症例での機能発現がみられた。これまで漠然と脳死膵臓移植は生体膵臓移植より良好であるとのイメージを感じていた本領域の研究者に対し、脳死膵臓移植機能は生体膵臓移植の約2倍と具体的な数値として定量評価した意義および臨床上のインパクトも大きいと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策:脳死膵臓移植症例において評価が済んでいない症例もあり、移植後一定の時期がきたら順次11C-methionine PET/CTによる評価を進めていく。また、臨床評価で得られた結果の理論付けのためLewisラットモデルによるモデルでコンロール群、膵切除群を作成し術前と術後1ヶ月後のmicro PET により求めたSUVを比較する。さらに術後SUVと膵再生能を形態学的変化として膵重量増大率、ミクロにて膵島の増大の有無、膵島径の比較、膵β細胞の径および膵臓に占める膵β細胞の割合の変化を各郡にて比較する。さらに生成能の評価としてDNA合成能をBrdUのラベリングインデックスを比較検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
継続した臨床例での評価における11C-methionine PET/CT検査費用および臨床例のみでの国際学会(国際膵膵島会議 2013.9.24-27米国)での発表および論文化(移植関連の英文誌)は本年度中のミッションと考えている。したがって、国際学会参加費および渡航費そして論文掲載料および別刷り代金に研究費を使用予定としている。 さらに上記推進方策にも述べたように、Lewisラットモデルでの実験のため、その実験動物の購入および飼育費用、実験での器具および試薬品やmicroPETのランニングコスト等での費用に使用する予定である。 なお、上述の研究において必要なPCや解析ソフト等は随時購入していく予定である。
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