研究課題/領域番号 |
24591806
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
大月 和宣 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (50399755)
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研究分担者 |
圷 尚武 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (00344979)
丸山 通広 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (40399754) [辞退]
剣持 敬 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50215133) [辞退]
伊藤 泰平 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (60509701) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 移植・再生医療 / 膵臓移植 / 核医学 / PET |
研究実績の概要 |
(1)11C-methioninePETを用いた生体および脳死膵臓移植後における膵グラフト生着能の予測の可能性を検討した。(2)生体膵移植レシピエンLDR10例(膵腎同時移植SPK9例、膵単独移植PTA1例)脳死膵移植レシピエントCDR14例(SPK11例、腎移植後膵移植PAK1例、PTA2例)を対象とした。(3)背景因子では、LDRおよびCDRの年齢(歳)は35±6、41±12、男女比4:6、5:9、BMI(kg/m2)21.6±3.5、21.9±3.8、糖尿病治療歴(年)22±6、25±9、ドナー年齢(歳)56±12、48±8、ドナーBMI(kg/m2) 23.3±1.7、22.3±3.4(平均±SD)と有意差を認めなかった。(4)方法としてPET/CT検査は、移植術後3から6ヶ月後に11C-methionine約740MBqを投与し、撮像機種はPET/CT Biograph Duo/16またはDiscovery ST-ELITEにて3bed撮影した。膵機能評価法は、グラフト膵全体に関心領域をおき、Standardized Uptake Value(SUV)meanを用い、機種間の値はファントム補正にてSUVを共通化した。(5)LDRでは5年間以上のインスリン離脱6例とインスリン再導入4例がみられた。CDRではインスリン離脱12例と移植後約4ヶ月の早期グラフト廃絶2例であった。生体および脳死ともインスリン離脱例は全例SUV5以上で、SUV5未満は全例術後1年以内にインスリン再導入となり、さらにSUV3未満の症例は全例グラフト廃絶となった。(6)11C-methionine PET/CTは膵グラフトの生着能の予測が可能で、SUV5以上はインスリン離脱、SUV5未満はインスリン再導入、さらにSUV3未満はグラフト廃絶の生着能が予測される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膵グラフトの生着能、膵再生能に関する臨床研究は予定通りだが、膵再生能に関して基礎的データが十分集積できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
GLP-1作動薬が膵臓とくにラ氏島の再生能の可能性を持ち現在臨床にも使用可能である。本剤を用いて膵切除および慢性膵炎モデルを比較コントロールとして、GLP-1作動薬使用の有無で膵再生能がどのように異なるかを11C-methionine PETを用いて画像定量化し比較検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床的研究は進捗状況が良好であったが、基礎的研究部分でのラットを用いた各種疾患モデルでのメチオニン集積と膵再生能の研究が進捗中のため。
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次年度使用額の使用計画 |
基礎的研究で使用のラット購入、飼育費、および、11Cメチオニン合成に必要な薬品、サイクロトロン、microPET検査等の諸費用を予定しています。また、臨床例での該当症例があれば、その検査費用にも使用します。
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