研究課題
【目的】11C-methionineを用いて、生体および脳死膵移植後のグラフト膵機能の予後予測ついて検討した。【対象】11C-methionine PET/CTを実施した生体膵移植レシピエン10、脳死膵移植レシピエント14例を対象とした。【方法】PET/CTは移植術後3から6ヶ月後に、PET/CT Biograph Duo/16またはDiscovery ST-ELITEにて撮像。膵機能評価法は、11C-methionine約740MBqを投与し約3bed撮影。グラフト膵全体にROIをおき、Standardized Uptake Value(SUV)meanを用い、機器間の値はファントム補正にてSUVを共通化した。【結果】生体移植例では5年間以上のインスリン 離脱6例とインスリン再導入4例がみられ、そのうち1例のみ32ヶ月後にグラフト廃絶となった。脳死移植例ではインスリン 離脱12例と移植約4ヶ月後の早期グラフト廃絶2例であった。生体および脳死ともインスリン 離脱は全例SUV5以上で、SUV5未満は全例術後1年以内にインスリン再導入となり、さらにSUV3未満の症例は全例グラフト廃絶となった。【考察】11C-methionine PET/CTは膵グラフトの長期予後予測が可能核医学検査で、移植後の膵グラフトの集積が、SUV5以上はインスリン 離脱、SUV5未満はインスリン再導入、さらにSUV3未満はグラフト廃絶の予後が予測される。
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