• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

不安定プラークの核医学診断のための理論的精密設計に基づく低分子プローブ開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591813
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

天滿 敬  京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90378787)

研究分担者 佐治 英郎  京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40115853)
塩見 雅志  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50226106)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード放射性医薬品 / 動脈硬化イメージング / 不安定プラーク
研究概要

本研究の目的は、動脈硬化治療の分子標的として注目されてきているFatty Acid Binding Protein4(FABP4)およびMatrix Metalloproteinase12(MMP12)に着目し、選択的阻害剤を基盤とした計算科学的手法に基づく精密分子設計を駆使することで高親和性・高選択性を両立した『低分子核医学イメージングプローブ』を開発することにある。本年度は、初期検討として、複数の候補化合物の合成、標識合成、インビトロ検討、インビボ検討を行った。
1)候補化合物の合成に関する検討:報告のある低分子阻害剤構造をもとに7種類の放射性ヨウ素標識体を設計した。非標識体および標識のためのトリブチルスズ前駆体を合成した。放射標識はスズ-放射性ヨウ素交換反応により行い、逆相HPLC精製を経て放射化学的純度99%以上で得た。
2)インビトロ検討:固相化FABP4に対する1,8-ANSの結合阻害実験により候補化合物群のFABP4結合性を調べたところ、トリアゾロピリミジン骨格を有するTAP1が高い結合性を示した。[125I]TAP1は他のFABPサブタイプには結合性を示さず、また、FABP4発現細胞への取込は選択的阻害剤の添加により有意に抑制された。
3)インビボ検討:[125I]TAP1を正常マウスに尾静脈内投与し臓器摘出法により体内分布を調べたところ、速やかな血中クリアランスと生体内での安定性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分子プローブ開発研究においては開発するプローブの有効性を調べるための評価系確立にハードルがあることから、本研究においてはFABP4プローブとMMP12プローブのうちFABP4プローブ開発研究を先行して行うこととした。これにより、設計・合成した複数のプローブ候補化合物群より有効なプローブ候補化合物を効率的に抽出することに成功した。以上より、本研究課題はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

H25年度においてもFABP4プローブ開発研究を先行して行う。インビトロ・インビボでの基礎検討に有効な125/123Iを用いたプローブ開発を優先的に行い、その後、インビボでの定量的イメージングに有効性が期待できる18Fプローブ開発へ研究を展開する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Radioiodinated peptide probe for selective detection of oxidized low density lipoprotein in atherosclerotic plaques2013

    • 著者名/発表者名
      Nishigori K, Temma T, Yoda K, Onoe S, Kondo N, Shiomi M, Ono M, Saji H.
    • 雑誌名

      Nuclear Medicine and Biology

      巻: 40 ページ: 97-103

    • DOI

      10.1016/j.nucmedbio.2012.08.002.

    • 査読あり
  • [学会発表] Fatty acid binding protein-4を標的としたトリアゾロピリミジン骨格を母体とする動脈硬化イメージングプローブの開発2012

    • 著者名/発表者名
      西郡寛太郎、天滿 敬、小野正博、佐治英郎
    • 学会等名
      第10回次世代を担う若手のためのフィジカル・ファーマフォーラム
    • 発表場所
      ホテル平安の森(京都府)
    • 年月日
      20120806-20120807
  • [学会発表] 動脈硬化の質的診断のための酸化LDL結合性核医学分子イメージングプローブ開発2012

    • 著者名/発表者名
      天滿 敬、西郡寛太郎、依田敬子、塩見雅志、小野正博、佐治英郎
    • 学会等名
      第1回ウサギバイオサイエンス研究会
    • 発表場所
      宮崎観光ホテル(宮崎県)
    • 年月日
      20120804-20120804
  • [学会発表] Development of a radioiodinated short peptide probe for selectively imaging oxidized LDL in atherosclerotic plaques2012

    • 著者名/発表者名
      Temma T, Nishigori K, Yoda K, Shiomi M, Ono M, Saji H
    • 学会等名
      Society of Nuclear Medicine 59th Annual Meeting
    • 発表場所
      Miami Beach, Florida (United States of America)
    • 年月日
      20120609-20120613
  • [学会発表] Fatty acid binding protein-4を標的とした動脈硬化イメージングのための新規低分子プローブの開発2012

    • 著者名/発表者名
      西郡寛太郎、天滿 敬、小野正博、佐治英郎
    • 学会等名
      第7回日本分子イメージング学会総会・学術集会
    • 発表場所
      アクトシティ浜松コングレスセンター(静岡県)
    • 年月日
      20120524-20120525
  • [産業財産権] 不安定プラークへの選択性集積性に優れる化合物2012

    • 発明者名
      佐治英郎、小野正博、天滿敬、関育也
    • 権利者名
      佐治英郎、小野正博、天滿敬、関育也
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2012-110965
    • 出願年月日
      2012-05-14

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi