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2013 年度 実施状況報告書

Gd-EOB-DTPA造影MRIを用いた肝細胞癌の抗癌剤耐性の画像的評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24591814
研究機関九州大学

研究代表者

藤田 展宏  九州大学, 大学病院, 助教 (30610612)

研究分担者 西江 昭弘  九州大学, 大学病院, 助教 (20457427)
浅山 良樹  九州大学, 大学病院, 助教 (40380414)
石神 康生  九州大学, 大学病院, 助教 (10403916)
牛島 泰宏  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40432934)
高山 幸久  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60546563)
本田 浩  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
キーワード放射線医薬品・造影剤
研究概要

肝細胞癌の抗癌剤に対する薬剤耐性はそのトランスポーターの発現が関与する。このトランスポーターは肝細胞特異性を持つMRI用造影剤であるGd-EOB-DTPAの排泄にも関与する。このため、Gd-EOB-DTPAを用いた造影MRI所見は、肝細胞癌の抗がん剤耐性と関連がある可能性がある。本年度は前年度に引き続き、肝細胞癌に対し持続肝動注化学療法が施行された例において、化学療法前に施行されたGd-EOB-DTPA造影MRI所見の検討を行い、持続肝動注化学療法の奏功率との比較検討を行った。Gd-EOB-DTPA造影MRIの肝細胞相にて、肝細胞癌の信号強度を測定し、中央値で対照群を2群に分類したところ、高信号群では低信号群と比較して有為に無増悪生存期間が長かった。また、本年度は新たに化学療法前に肝切除が行われた例の切除標本にて、Organic anion-transporting polypeptides 8(OATP8)およびMultidrug-resistant protein 2(MRP2)の発現を免疫組織学的に評価した。Gd-EOB-DTPAの取り込みに関与するOATP8の発現は、高信号群で低信号群と比較して有意に高かった。一方で、抗癌剤排泄に関与するとされるMRP2の発現は両群で有意差を認めなかった。
Gd-EOB-DTPA造影MRI所見は肝動注化学療法の効果を予測できる可能性が示唆された。しかしながら、抗癌剤排泄の代表的トランスポーターであるMRP2の発現の関与は現在のところ認められなかった。Gd-EOB-DTPA造影MRIの肝細胞相の所見自体が、肝細胞癌の悪性度を規定するとの報告が複数あり、肝動注化学療法の効果に影響している可能性があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、前年度に引き続き、肝細胞癌に対し持続肝動注化学療法が施行された例において、化学療法前に施行されたGd-EOB-DTPA造影MRI所見の検討を行い、持続肝動注化学療法との奏功率との比較検討を行った。さらに本年度は計画通り、新たに化学療法前に肝切除が行われた例の切除標本にて、Organic anion-transporting polypeptides 8(OATP8)およびMultidrug-resistant protein 2(MRP2)の発現を免疫組織学的に評価した。このため研究計画はおおむね順調に進展しているものと考える。

今後の研究の推進方策

特に新規に肝細胞癌に対し持続肝動注化学療法が試行された例において、化学療法前に施行されたGd-EOB-DTPA造影MRI所見の検討を行い、奏功率との比較検討を行う。また、切除標本において、OATP群およびMRP群の免疫組織化学染色を行い、これらの発現を検討する。

次年度の研究費の使用計画

物品費が当初の予定と比較して低額であった。実験の進捗状況に伴い、一部の実験に用いる免疫組織免疫組織化学用試薬、研究に必要な試薬類やピペットなどのプラスチック器具などの消耗品を購入を来年度行うこととしたためである。
データの解析には、コンピューターや保存のための媒体、統計解析ソフトやグラフ作成ソフトなどのソフトウェアの購入が必要である。また、免疫組織学的評価では、免疫組織化学染色用の抗体、研究に必要な試薬類やプレパラート、ピペットなどの消耗品などが必要である。MRIや肝臓病理に関する文献のコピー、参考書の購入は得られた結果を討論するため欠かせない費用である。
さらに、成果発表のため、学会発表を行う際の旅費が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Clinical significance of signal heterogeneity in the hepatobiliary phase of gadoxetic acid-enhanced MR imaging in hepatocellular carcinoma2013

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Fujita, Akihiro Nishie, Yoshiki Asayama, Yasuhiro Ushijima, Yukihisa Takayama, Hiroshi Honda, Dai Shimamoto, Koichiro Morita, Ken Shirabe, Yuichiro Kubo
    • 学会等名
      99th Scientific Assembly and Annual Meeting of Radiological Society of North America
    • 発表場所
      Chicago
    • 年月日
      20131201-20131206

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公開日: 2015-05-28  

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