研究課題/領域番号 |
24591819
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 利洋 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70326338)
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キーワード | IVR |
研究概要 |
1. 前年度に完成させた家兎腫瘍モデルを用いて、乏血性腫瘍に効果的な新規TAEの開発を行った。方法は、VX2腫瘍を家兎の肝左葉に移植し、2-3週間後に超音波検査で腫瘍の増大を確認後、血管造影を施行。先端径1.7Fr、長さ60cmの家兎用に作成した特殊なマイクロカテーテルを左肝動脈に選択的に挿入し、種々のマイクロスフェアを用いてTAEを施行。40μmの小さなサイズのマイクロスフェアで完全に腫瘍の栄養血管を塞栓すれば90-100%の高率な腫瘍壊死が得られ、また、マイクロスフェアは腫瘍内の微小血管に停滞していることが組織学的に証明できた。 2. 臨床初期経験として、乏血性肝肝癌症例に対して40μmのマイクロスフェアを用いたTAEを施行。合併症なく良好な治療効果が得られ、Anticancer Res. 2014; 34(4):1947-51.に報告した。 3. 前年度に実施したマイクロスフェアの動注リザーバーシステムへの通過実験の結果を元に、臨床応用を行った。2例の乏血性肝腫瘍患者に動注リザーバーシステムを埋没し、2週間ごとに繰り返し100μmのマイクロスフェアでTAEを行った。経時的な血管造影所見でTAE後に肝動脈が再開通することが明らかになり、繰り返しTAEを行うことで良好な治療効果が得られた。この結果はCardiovasc Intervent Radiol. 2014; 37(2):493-7.に報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に完成させた実験モデルを用いた基礎実験で新規TAEの有用性を証明し、臨床初期経験も得られたことから順調に進行していると評価します。
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今後の研究の推進方策 |
VX2移植家兎を用いた基礎実験において、 1.薬剤溶出性の球状マイクロスフェアを用いたTAEの薬物動態の解明を行う。 2.微少デンプン球とシスプラチンの混和液を用いたTAEの薬物動態の解明を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ計画通りの支出で研究が進んでいる。 繰り越し分は次年度の消耗品に使用する計画である。
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