活動性の高い血栓を、造影剤を用いてその存在を判定する手法は確立されていない。近年の分子イメージング研究領域では、これらの活性化血栓に対する造影剤の開発に注力されているが、その安全性には疑問が残る。我々は、造影剤の基質として一般に用いられている超常磁性体酸化鉄を用い、これに活性化血小板に発現するP-selectinへのリガンドとして藻から抽出されるフコイダンという糖鎖を結合させた造影剤を開発した。本研究では、ラットにおける活性化血小板をターゲットとした病変の検出を目指した。MRIにおいて、活動性の高い血小板分布に一致した造影剤による増強効果が確認され、病理・電子顕微鏡での確認を行った。
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