本研究課題では、脳に存在する多剤耐性関連タンパク質4(MRP4)の活性を定量測定し得る放射性プローブの開発を行なった。まず、C-11で標識した種々の馬尿酸誘導体のエステルを設計し、それらの簡便な標識法について開発を行なった結果、C-11で標識したヨウ化メチルにより室温で効率良くC-11標識する方法を見出した。次いで設計した種々の化合物をインビトロおよびインビボで評価したところ、C-11で標識した馬尿酸ベンジルエステルは、マウスにおいては脳のOAT3および心臓のMRP4の活性を定量測定し得る放射性プローブであることが示された。
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