本研究では、膵癌の早期診断に加え、内照射治療を目的としたリポソーム製剤の開発を試みた。膵癌に高発現しているαvβ3インテグリンに着目し、RGD修飾リポソームの開発を計画した。我々は、粒子径が約100nmのRGD修飾リポソームの作成に成功した。また、RGD修飾リポソームはαvβ3インテグリンに対する高い結合親和性を有していることを確認した。しかし、体内分布の結果から、肝臓や脾臓への顕著な集積が認められ、また、腫瘍への集積も低かった。本研究では、リポソームへのRGD修飾はPEGの機能を損なう可能性があることを見い出した。
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