研究課題/領域番号 |
24591829
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 伸一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (50463724)
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研究分担者 |
宮本 直樹 北海道大学, 医学部附属病院, 助教(Research Associate) (00552879)
高尾 聖心 北海道大学, 医学部附属病院, 助教(Research Associate) (10614216)
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キーワード | 放射線治療 / コーンビームCT / 四次元放射線治療 / 陽子線治療 / 粒子線治療 |
研究概要 |
平成25年度は、CBCT撮像のソフトウエアが陽子線治療装置上に実装され、陽子線治療ガントリー内に装備された2軸X線撮像装置を用いてCBCT画像が取得できるよう装置およびソフトウエアの整備および確認を行った。これら撮像系を実際に用いて、ファントムの撮像実験を行い、CBCT画像構成が可能であることを確認した。さらに、撮影条件の実地検討を行った。 本撮像系の装置構成および動体追跡装置を用いて放射線治療を行ったデータのログを用いて構築した4次元コーンビームCT(4D-CBCT)の撮像方法を元に、知的財産の申請を行い、「放射線治療システム」特願2013-162656(出願日 2013年8月5日)特許出願を行った。 関連する基礎研究成果として、"Development of a dynamic phantom for quality control in 4D radiotherapy."として動体ファントムについての研究成果を、スイスにて開催の4D treatment planning workshopにて発表し、"4DCTを用いた肺内マーカー移動の解析"として4次元CTに関係する研究内容を日本医学放射線学会北日本地方会にて学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
呼吸性移動を模すことのできるファントムの考案、作成を行い実現化した。また、4次元コーンビームCTの理論構築および世界初の陽子線ガントリー内でのCBCT画像取得の実現を達成した。それを元に、知的財産権の出願を行なうことができた。 一方で、容積変動ファントムに関しては実用に足る実機の作成に至っていない。また、CBCT画像の実際の患者での撮像については薬事取得承認までの申請作業へ至る過程に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、正常ボランティアおよび陽子線治療を受ける患者で承認を頂けた方において4D-CBCTの撮像を行う予定であったが、薬事取得承認までの過程に不透明な部分があることから、昨年度作成した動体ファントムを用いて、胸部、骨盤部のファントムを用い、画像を取得することによって、4D-CBCT画像の臨床応用の可能性について、実証検証が可能な直前までを研究対象とすると共に、薬事申請作業を急ぎ、承認が得られた際には速やかに患者の画像が撮像できるよ臨床プロトコルの作成を平行して行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度のファントム実験は主に陽子線治療ガントリー内装備の2軸X線撮像装置でのCBCT画像取得に重きを置いて行われた。そのため、動体ファントム実験に関わる金マーカーの購入および容積変動ファントムの実機購入費用などが使用されなかったため次年度使用額が生じた。 本年度は動体ファントムを用いた4D-CBCT画像の取得法に関する実験開発を行い金マーカーの購入が予定されている。また、容積変動ファントムに関しても実使用に至るための試作を継続して試みる。
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