研究課題
基盤研究(C)
化学放射線療法が施行された食道がん患者のうち、HLAがA2もしくはA24の患者のみ、臨床検体(血液)を採取して研究を行い、そのうち約40%の患者において、癌精巣抗原特異的細胞障害性Tリンパ球が治療中~治療後に有意に増加することを確認した。現在、その他の臓器のがん患者においても、抗原特異的細胞障害性Tリンパ球が増加するか検討中である。また、術前化学放射線療法が施行された食道がん患者において、臨床検体(腫瘍組織;術前および手術時のもの)を用いて研究を行い、化学放射線療法にて有意にHMGB1の増加が認められ、また、予後と有意に相関することが認められた。また、放射線治療前後のMHC Class I発現の変化については、直腸がん患者などにて実験を終え、現在解析中である。これらの成果は、放射線治療によって抗原特異的な抗腫瘍免疫が活性化されたことを証明したものであり、放射線治療と免疫療法の併用療法の可能性を示唆するものである。
2: おおむね順調に進展している
研究は、当初の計画に沿って、ほぼ予定通りに実行され、成果報告の段階まで進んでいる。
研究実施計画に従い、臨床検体(血液、腫瘍組織)を用いた研究を継続する。また、同様に研究計画に従い、マウスモデルで放射線治療による抗腫瘍免疫の活性化とその修飾について検討する。
研究実施計画に従い、試薬、抗体、および、マウスの購入に使用する。また、研究成果発表のための旅費にも使用する。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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