本研究ではU937およびHeLa細胞でニトロキシドであるTempoと温熱併用によるオートファジー細胞死を誘導することが判明した。Tempoを温熱処理と併用すると温熱によるカスパーゼ-3の活性化を阻害し、カスパーゼ依存性アポトーシスの阻害につながる。その原因はカスパーゼの活性化部位-CysSHの酸化から生じる可能性が高い。併用処理はミトコンドリア機能障害およびオートファジーの誘導に寄与しているBeclin 1の遊離が認められた。併用によるオートファジー細胞死は回復不能の細胞増殖抑制を認めた。Tempoは温熱併用時に増感剤として作用し、回復不能なオートファジー細胞死を誘導することが判明した。
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