研究課題/領域番号 |
24591840
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡本 欣晃 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20362791)
|
研究分担者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
吉田 賢史 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80351906)
宮脇 大輔 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30546502)
古瀬 元雅 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70340560)
|
キーワード | 線量率 / 白色X線 / 動物実験 |
研究概要 |
本研究は、超・高線量率X線照射の生体反応と医学利用に関する基礎的検討を目的とする。超・高線量率に関しては照射法を工夫しなければ生体内(In vivo)の反応を検討することは難しい。そこで、高輝度放射光設備(SPring-8)から供給される指向性の高いX線ビームを用いて、超・高線量率(11,000cGy/sec)X線照射のする生体反応の検討を実施した。これまでの検討の中ではMicroslit beamの効果を正確に判断するためには定位的固定を実現した照射が必要であるので対象とする臓器は脳を対象とし、同じ超・高線量率ではスリットビームの間隔が大きく生存率の際に寄与することを発見してきた。更にビーム間隔を変えつつ、マウスの一側の半脳のみを照射する方法にて死亡率に対する病理機序解明に取り組んできた。生存率に関しては半脳照射と全脳照射との比較では、スリット間隔の変化ほどの大きな影響は確認できなかった。免疫組織学的な検討をも行ってきたが、超・高線量率照射においては、小動物の突然の死亡が多く、現時点では最適な方法を見つけられておらず、解析に適した実験プロトコールの検討に取り組んでいる。また、超・高線量率X線照射のラット脊髄照射における行動試験による機能評価を実施しており、機能障害の程度と超・高線量率スリットビームの間隔が大きく関与することを見出してきた。昨年度はSPring-8のビームタイムの割り当てがH25年度には予想外に少なくなり、腫瘍モデルを用いたスリットビーム、格子状ビームの有効性評価やスリットビーム照射の脊髄機能保持に関する検討は不十分になってしまったため、H26年度には新たにビームタイムを申請して研究計画、研究目標を達成し、格子状照射に最適なビーム間隔の決定や耐用線量の検証などに関しても順次実施していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SPring-8のビームタイムの割り当てが少なく、限られた条件の中での検討であったが、その中でも、超・高線量率スリットビームに関して、いくつかの新たな知見を得ている。
|
今後の研究の推進方策 |
H26年度には新たにビームタイムを申請して研究計画、研究目標を達成し、格子状照射に最適なビーム間隔の決定や耐用線量の検証などに関しても順次実施していく予定である
|
次年度の研究費の使用計画 |
Spring-8のビームタイムの割り当てが、少なかったため、旅費、消耗品代の一部が活用の実施ができなかった。 新規にSpring-8のビームタイムの申請を行い、前年度不十分であった研究計画の遂行を行っていく。
|