研究課題
画像誘導放射線治療(IGRT)による位置決めX線Cone-beam CT(CBCT)の被ばく線量評価と画質評価において,以下の研究成果を得た.(1) 平成24-25年度に行ったVarian On-Board Imager (OBI)とElekta X-ray Volumetric Imager (XVI)のkV-CBCTとSiemens MV-CBCTのモンテカルロ法によるビームモデリング,線量特性(X線スペクトル,深部量百分率,軸外線量比)の研究成果を論文にまとめた.(2) 頭部用と腹部用の円筒状水ファントムを用いて,両kV-CBCTの吸収線量を本研究で開発したコバルト水吸収線量校正定数に基づくファーマ型電離箱を用いた吸収線量計測法で評価した.さらに,本法と従来のkV-X線の空気カーマ校正定数による吸収線量計測法(AAPM TG-61)との線量比較を行い,研究成果を論文にまとめた。(3) CT画像を用いて,頭部,頸部,胸部,腹部,骨盤部の撮影条件を用いてモンテカルロ計算によって線量分布を作成し,主要臓器やリスク臓器の線量を線量体積ヒストグラム(DVH)から定量的に算出した.IGRTにおける両kV-CBCT臓器線量を研究論文としてまとめた(現在投稿中).(4) 両kV-CBCTとMV-CBCTの画質評価を画質評価ファントムによって行った.また,治療線量とkV-CBCT線量の加算線量分布のDVH評価が可能になった.以上の研究成果から両kV-CBCTとMV-CBCTの吸収線量評価が可能になった.本研究で開発した吸収線量計測法では,従来の測定法であるAAPM TG61に比べ計測線量が約4%低下した.また,体幹部の被ばく線量はXVIではOBIに比べ約1/3であった.線量評価の不確かさは,AAPM TG-61による5.3%から本法では2.1%に大幅に軽減できた.また,CT画像を用いた線量分布計算とDVHからkV-CBCTとMV-CBCTの臓器線量の定量的な評価が可能になった.さらに,画質評価においては両kV-CBCTに大きな差はないが,治療計画用の線量分布計算に利用するにはまだ画質改善が必要である.
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