研究課題/領域番号 |
24591844
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 和彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40253984)
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研究分担者 |
石内 勝吾 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10312878)
吉見 直己 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30166996)
松下 正之 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30273965)
合志 清隆 琉球大学, 医学部附属病院, その他 (90195660)
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キーワード | 低酸素腫瘍細胞 / 酸素化 / 放射線治療効果 |
研究概要 |
本研究では、低酸素腫瘍細胞が酸素化された直後の状態における放射線治療効果を規定する機序の分子病理学的解明を目的とした研究を行っている。現在までには、細胞レベル、組織レベルで低酸素腫瘍を酸素化した場合と酸素化しない場合の遺伝子発現の変化を検討を行っている。続けて、それらの結果と実際の放射線治療効果との相関を調べることにより、低酸素細胞を酸素化した場合の放射線抵抗性に関与する遺伝子群の同定を行った。以上より酸素化の程度の違いによる遺伝子発現状況の違いを明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Oxygen glucose deprivationの状態にしたグリオブラスト-マ細胞 (U87)、頭頸部癌細胞(SCCVII) (2x107 cells/dish、培地10 ml)を低酸素状態(O2: 1%, CO: 5%)で培養し、それらの細胞を照射中に低酸素状態と酸素化した状態 (O2: 20%, CO2: 5%)において照射を行なった。また、コントロールとして照射を行わないで途中酸素化した群を追加した。照射においては、1回照射(2 Gy, 5Gy, 10 Gy)のそれぞれにおける検討を行う。低酸素状態の確認には、照射前後でHIF-1α、GLUT-1、RAD群の検討を行い、酸素化の有無と細胞レベルにおける照射の影響についての確認を行う。そして、これらの3群において放射線治療効果の違いを検討する。さらに、治療効果で有意差が認められた線量を1つ選び、それぞれの群において、照射または酸素化の1週間後にRNA抽出を行った後、マイクロアレイによる遺伝子発現プロファイルの違いを検討した。以上の検討からは、HIF-1等の低酸素に関連する遺伝子群の発現の減弱や消失が認められた。次に、U87においては腫瘍細胞をマウスに移植してコントロール群、照射群、照射+高圧酸素併用群の3群において比較を行った。照射においては、2 Gy/dayで合計20 Gy、高圧酸素は2.5気圧で30-60分を照射直前に施行した。以上の検討からは、照射+高圧酸素併用群は照射単独群、コントロール群と比較してgrowth delay法にて有意に腫瘍増殖の遅延が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、マウスに照射を行った3群における遺伝子発現状況の同定、機能解析を行い、それらの放射線治療効果に関する意義を明らかにする。さらに、臨床検体を使用することにより、同定された放射線治療効果に関連する遺伝子群の臨床的意義を明らかにする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた研究を4月以降に繰り越したため。 マウスに照射を行った3群(コントロール群、照射単独群、照射+高圧酸素療法群)における遺伝子発現状況の同定、機能解析を行い、それらの放射線治療効果に関する意義を明らかにする。
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