研究概要 |
(1)オラパリブの放射線増感作用について 子宮頸部腺癌細胞株(CAC-1)を使用し、細胞生存率を求め、オラパリブによる放射線増感作用について調べた。オラパリブの放射線増感作用とオラパリブ濃度の関係では、0.01~1μMの濃度で検討したが、0.05μMでプラトーに達した。オラパリブの放射線増感作用とオラパリブの添加時間の関係では、添加時間3, 6, 24,時間で検討したが、2Gyでは有意差はみられなかったが、6, 8Gyと線量が高くなるに従い、添加時間が長いほど放射線増感作用が増大する傾向がみられた。 (2)ノギテカン(カンプトテシン誘導体)の放射線による殺細胞効果の増強について 子宮頸部腺癌細胞株(CAC-1)に対する、ノギテカンの殺細胞効果について検討した。ノギテカンの濃度と添加時間を変化させ、殺細胞効果の変化を検討した。濃度は0~50ng/mlで検討したが、殺細胞効果は20ng/mlでほぼプラトーに達した。添加時間は3, 6, 24時間で検討したが、殺細胞効果は3, 6時間に比べ、24時間で著明に大きかった。 次に、ノギテカンと放射線の併用効果について検討した。放射線量を4Gyに固定し、ノギテカンの濃度と添加時間を変化させ、放射線による殺細胞効果の増強変化を検討した。細胞生存率はノギテカンの濃度が10ng/mlでほぼプラトーに達した。ノギテカン添加時間は3, 6, 24時間で検討したが、殺細胞効果は3, 6時間に比べ、24時間で著明に大きかった。放射線照射単独に比べ、低濃度で3時間程度のノギテカンの添加でも有意な放射線による殺細胞効果の増強がみられた。
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