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2013 年度 実施状況報告書

早期に臨床応用が可能な放射線増感剤の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24591845
研究機関札幌医科大学

研究代表者

坂田 耕一  札幌医科大学, 医学部, 教授 (10235153)

キーワード放射線治療 / PARP阻害剤 / ノギテカン
研究概要

(1)オラパリブの放射線増感作用について
子宮頸部腺癌細胞株(CAC-1)を使用し、細胞生存率を求め、オラパリブによる放射線増感作用について調べた。オラパリブの放射線増感作用とオラパリブ濃度の関係では、0.01~1μMの濃度で検討したが、0.05μMでプラトーに達した。オラパリブの放射線増感作用とオラパリブの添加時間の関係では、添加時間3, 6, 24,時間で検討したが、2Gyでは有意差はみられなかったが、6, 8Gyと線量が高くなるに従い、添加時間が長いほど放射線増感作用が増大する傾向がみられた。
(2)ノギテカン(カンプトテシン誘導体)の放射線による殺細胞効果の増強について
子宮頸部腺癌細胞株(CAC-1)に対する、ノギテカンの殺細胞効果について検討した。ノギテカンの濃度と添加時間を変化させ、殺細胞効果の変化を検討した。濃度は0~50ng/mlで検討したが、殺細胞効果は20ng/mlでほぼプラトーに達した。添加時間は3, 6, 24時間で検討したが、殺細胞効果は3, 6時間に比べ、24時間で著明に大きかった。
次に、ノギテカンと放射線の併用効果について検討した。放射線量を4Gyに固定し、ノギテカンの濃度と添加時間を変化させ、放射線による殺細胞効果の増強変化を検討した。細胞生存率はノギテカンの濃度が10ng/mlでほぼプラトーに達した。ノギテカン添加時間は3, 6, 24時間で検討したが、殺細胞効果は3, 6時間に比べ、24時間で著明に大きかった。放射線照射単独に比べ、低濃度で3時間程度のノギテカンの添加でも有意な放射線による殺細胞効果の増強がみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PARP阻害剤であるオラパリブを臨床応用するために必要な特性が進んだ。以前我々が検討したヒト大腸癌細胞の他、子宮頸部腺癌細胞でも、オラパリブが、臨床で達成可能な低濃度でも、放射線増感効果があることが判明した。また、ノギテカン(カンプトテシン誘導体)がそれ自体の殺細胞効果の他に、放射線による殺細胞効果を増感することを示唆する結果が得られた。

今後の研究の推進方策

PARP阻害剤であるオラパリブを臨床応用するために必要な研究をさらに進める。
具体的には、オラパリブやノギテカンの放射線増感効果が期待できる癌が予測できないか、生検標本でのDNA2重鎖切断修復に関わる蛋白の発現の検討や、in vitroでのオラパリブやノギテカン、放射線の3者併用の検討を行うことを予定している。

次年度の研究費の使用計画

既に研究室にあった消耗品を使用して研究を行ったため、残額が発生した。
H25年度の残額とH26年度の直接経費を用いて、PARP阻害剤(オラパリブ)の臨床応用に向けた研究を行う。in vitroの実験や、免疫組織染色における消耗品、また実験補助のための人件費、学会参加のための費用などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Phase I study of oral S-1 and concurrent radiotherapy in patients with head and neck cancer.2013

    • 著者名/発表者名
      Nakata K, Sakata K, Someya M, Miura K, Hayashi J, Hori M, Takagi M, Himi T, Kondo A, Hareyama M.
    • 雑誌名

      J Radiat Res

      巻: 54(4) ページ: 679-683

    • DOI

      10.1093/jrr/rrs133

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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