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2013 年度 実施状況報告書

分子生物学的マーカーを用いた前立腺癌放射線治療後の有害事象予測

研究課題

研究課題/領域番号 24591846
研究機関札幌医科大学

研究代表者

染谷 正則  札幌医科大学, 医学部, 講師 (60404711)

キーワード放射線感受性予測 / 有害事象予測 / マイクロRNA
研究概要

平成25年度は、昨年度に引き続きサンプル採取の継続を行った。合計で100名の前立腺癌で過去に放射線治療を行った患者より血液を採取し、リンパ球を抽出してDNA-PK活性の測定、放射線誘発NBS1フォーカスの観察、RNAの発現と有害事象である放射線直腸炎との関係を調べた。
まずその事前調査として、当該患者における放射線直腸炎および臨床情報、治療計画から抽出した線量分布、直腸線量および体積を割り出し、その関係を調べた。結果として直腸線量のうち、65Gy以上照射された体積(V65)が17%以上の場合には有意に放射線直腸炎が発症している事を確認し、この結果を日本放射線腫瘍学会第26回学術大会にて発表した。
RNA解析について、リンパ球より抽出したRNA発現を解析し、DNA損傷修復に関係するDNA-PK発現およびマイクロアレイ解析で候補として選ばれた、複数のマイクロRNAの発現を100名分についてRT-PCR法を用いて測定した。結果として、2つのmRNA発現およびマイクロRNA発現の組み合わせによって、高い精度で放射線直腸炎を予測できる可能性が分かってきている。この内容は論文化して発表準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、100名からのリンパ球を採取する事が出来ている。
また、複数のRNA発現の組み合わせで放射線直腸炎を起こしやすい患者群が同定できる事が分かってきている。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、前立腺癌以外に腹部、骨盤領域に放射線治療を行った患者に対象を広げて血液を採取し、放射線治療による有害事象の発生とリンパ球のRNA発現との関係を調べる。
昨年度の研究で判明したRNA発現の検証および、新規の予測マーカーの探索を目的としている。
DNAの解析も同時に進める。特定のRNA発現パターンに関係するDNA遺伝子多型の探索により、より一般化した予測システムの確立を目指す。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の研究費に残額が発生した理由としては、RNA発現解析の結果を待って、それに関連するDNA遺伝子多型解析を行う予定としているので、その分の試薬の購入、研究打ち合わせに関わる旅費、実験にかかる人件費などの執行が遅れているためである。
平成26年度の物品費としてはRT-PCR法を行うためのプライマー作成、DNA抽出、リンパ球分離のための試薬購入などが必要である。
旅費としては、当該研究で得られた成果を学会発表し共同研究者と情報交換するために使用する予定である。
人件費については、リンパ球分離、RT-PCR法を行う実験助手への謝金に充てられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 個人の放射線感受性予測を目指して2014

    • 著者名/発表者名
      染谷 正則
    • 学会等名
      第7回QUANTUM Medicine研究会
    • 発表場所
      茨城大学理学部
    • 年月日
      20140309-20140309
  • [学会発表] 前立腺癌根治照射後の放射線直腸炎とDVH 解析2013

    • 著者名/発表者名
      染谷 正則
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第26回学術大会
    • 発表場所
      青森市リンクステーション青森
    • 年月日
      20131018-20131020

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公開日: 2015-05-28  

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