患者個々の正常組織の耐容線量の予測を目的とし、当院で局所限局期前立腺癌で根治的放射線治療を行った患者群のうち、3年以上の経過観察で有害事象発生の有無が確認できた97例を対象に採血、リンパ細胞を分離し、DNA修復に関わるDNA-PKのmRNA発現解析、マイクロアレイによる網羅的な解析を行い、晩期有害事象であるgrade2以上の直腸出血の有無とRNA発現との比較を行なった。その結果として、直腸線量の高低とは独立して、DNA-PKのサブユニットの1つであるKu80のmRNA発現、microRNA-99aのX線照射による発現変化という2つの因子が晩期直腸出血に関連している事を示した。
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