研究課題/領域番号 |
24591847
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
石倉 聡 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40407242)
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キーワード | 臨床試験 / 多施設共同研究 / 放射線治療 / 強度変調放射線治療 / 品質保証 / 国際協調 |
研究概要 |
平成25年度の実績:臨床試験登録全例に対して放射線治療の品質保証を実施するためのロジスティックスの検討、システムの運用テストを行った。 具体的には、厚生労働科学研究費補助金研究班と連携し、前立腺癌に対する強度変調放射線治療の多施設共同臨床試験に登録された症例を対象として、放射線治療内容を各参加施設の放射線治療計画装置からDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)形式によるCT画像情報およびDICOM-RT(DICOM in RadioTherapy)形式による腫瘍、正常臓器等の輪郭情報、線量分布情報をデジタルデータとして出力し、各参加施設で個人情報を匿名化した登録症例のデータを収集し、放射線治療計画解析ソフト(VODCA-RT)を用いて評価した。2013年12月31日までに登録された84例中72例で研究事務局による評価が終了している。 また、メルボルンで開催されたInternational Conference on the Use of Computers in Radiation Therapyにて放射線治療品質保証国際協調グループ会議に参加し、またその後の国際電話会議等により、各臨床試験・品質保証グループにおける品質保証体制に関する情報交換を行った。 本研究は今後益々その重要性が増す先進的放射線治療の多施設共同臨床試験を実施するための基盤をなすものであり、国際協調も図りつつ先進的放射線治療を確立、推進するにあたり極めて重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに、臨床試験登録全例に対して放射線治療の品質保証を実施するためのロジスティックスの検討、システムの運用テストを行うことができた。また平成26年度には新たに肝臓癌に対する体幹部定位放射線治療の臨床試験においてシステムの運用テストを実施できる見込みとなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には強度変調放射線治療、定位放射線治療など先進放射線治療の多施設共同臨床試験と連携して放射線治療品質保証システムの運用テストを行い、恒常的な放射線治療品質保証システムの運用体制の確立を図る。また引き続き、世界の主要な放射線治療臨床試験グループにより平成23年度に設立された放射線治療品質保証の国際協調グループの会議に出席し、意見交換、情報収集を行うとともに、国際学会で本研究成果の発表を行う。
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