研究課題
平成26年度の実績:臨床試験登録全例に対して放射線治療の品質保証を実施するためのシステム運用テストを行った。具体的には、厚生労働科学研究費補助金研究班と連携し、前立腺癌に対する強度変調放射線治療の多施設共同臨床試験に登録された症例を対象として、放射線治療内容を各参加施設の放射線治療計画装置からDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)形式によるCT画像情報およびDICOM-RT(DICOM in RadioTherapy)形式をもちいて、腫瘍、正常臓器等の輪郭情報、線量分布情報をデジタルデータとして出力し、各参加施設で個人情報を匿名化した登録症例のデータを収集し、放射線治療計画解析ソフト(VODCA-RT)を用いて評価した。本年度までに登録78症例の評価を問題なく実施可能であった。また、ウィーンで開催された欧州放射線腫瘍学会にて本研究成果の発表を行うとともに、放射線治療品質保証国際協調グループ会議に参加し、各臨床試験・品質保証グループにおける品質保証体制に関する情報交換を行った。本研究により、今後益々その重要性が増す先進的放射線治療の多施設共同臨床試験を実施するために必要な放射線治療品質保証システムの運用体制を確立できた。今後、国際協調も図りつつ先進的放射線治療を確立、推進するにあたり極めて重要な成果と考えられる。
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