研究課題
本研究では乳房部分切除後に行われる放射線治療を、線量均一性に優れたField in-field法によって通常よりも短縮した42.56Gy/16分割(追加照射必要例ではSIB法を用いて行うまたは全乳房照射に引き続いて行う)で行う治療方法の安全性と有効性について検討する。Primary endpointは有害事象の頻度と重篤度、Secondary endpointsは乳房内非再発期間、非再発期間、生存期間、整容性とする。治療期間を短縮することにより多くの患者の負担が軽減され、仕事、家庭生活などに良好な影響があると考えられる治療をField in-field法により施行する治療方法の安全性、有効性を評価することが研究目的である。結果:2012年6月から現在まで29例が登録された。年齢は34歳から67歳の範囲で中央値は47歳であった。浸潤癌25例(浸潤性乳管癌19例、特殊型6例)非浸潤癌4例(全例非浸潤性乳管癌)であった。浸潤癌の病期はT1N0M0:15例、T2N0M0:5例、T1N1M0:3例、T2N1M0:1例、T3N0M0:1例であった。ホルモン受容体陽性25例、HER2陽性4例であった。術前に何らかの全身療法が8例に行われていた。術後、放射線治療前に化学療法が施行されたのは1例であった。術後の病理報告で側方断端近接(<5mm)7例に認められた。放射線治療は全乳房のみ22例、全乳房に加え腫瘍床にも照射したのが7例であった。腫瘍床追加7例の総線量/分割は50.56Gy/16分割:2例、53.12Gy/16分割:2例、53.2Gy/20分割:3例であった。放射線治療は全例で休止期間なく完遂できた。急性期有害事象は全例に皮膚炎Grade1が認められるも他に特記すべき事象はなかった。観察期間(1-35月:中央値14月)では晩期有害事象なく、再発も観察されていない。
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