研究課題/領域番号 |
24591854
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
上紺屋 憲彦 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00185985)
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研究分担者 |
冨士原 将之 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90388827)
高田 康弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20461048)
土井 啓至 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50529047)
前田 弘彰 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00388828)
廣田 省三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20181216)
丹羽 康江 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60648294)
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キーワード | 放射線障害 / 直腸粘膜障害 / 亜鉛 / 抗凝固剤 / 高齢者 |
研究概要 |
本年度の研究では実験動物を使った基礎研究と、臨床研究として抗凝固剤使用患者の前立腺癌放射線治療における直腸粘膜障害の評価を行った。 1、基礎研究では、実験動物をラットからマウスに変更。放射線照射後のマウスでの直腸粘膜障害の評価基準を明確化する必要があり、亜鉛製剤投与・放射線照射群での病理組織標本を全て再検討し、血管の形態測定と、炎症細胞により評価、組織評価基準を明確にした。 2、臨床研究では、既存前立腺癌放射線治療患者の直腸粘膜障害を、抗凝固剤使用の有無、照射データで解析。照射データは3次元放射線治療のDVH(dose volume histogram)、障害の程度はRTOG評価にて行なった。さらに放射線治療前のGleason score 、PSAの値によりrisk分類を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎研究においてこれまで実験施設としても登録された大学病院放射線治療施設を使用してきた。しかし患者数の増加、放射線治療機器の老朽化によるメンテナンスにより動物実験に使用することが事実上不可能となった。放射線照射装置は大学動物実験棟の実験動物用照射装置にて代行可能であったが、同装置ではマウスの照射は可能であるがラットの照射は不可能であったため、実験系をマウスを対象としたものに変更した。そのためマウスについての放射線照射後の直腸粘膜障害の評価基準を明確化する必要があり、亜鉛製剤投与・放射線照射群での病理組織標本を全て再検討し組織評価基準を明確にした。そのため、抗凝固剤投与・放射線照射まで達成できなかった。臨床研究では既存前立腺癌放射線治療患者の直腸粘膜障害の患者背景および、放射線照射データの取得が完了。
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究は、マウスによる動物実験放射線直腸炎評価モデルに抗凝固剤としてアスピリンを使用、放射線照射時および放射線照射後障害発生時の2つの時系列でそれぞれ投与し、直腸粘膜への作用を病理組織学的変化、分子生化学的変化で抗凝固剤の粘膜障害への影響を評価する。同時に亜鉛化合物を重複投与し直腸粘膜の変化を比較検討する。 臨床研究は、前立腺癌放射線治療後に直腸粘膜障害を認めた抗凝固療法併用患者に対し抗凝固剤の停止・続行、亜鉛製剤の投与により直腸粘膜の病理組織学的変化・肉眼的変化を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度まで、放射線照射設備は、実験施設としても登録された大学病院放射線治療施設を使用してきた。しかし患者数の増加、放射線治療機器の老朽化によるメンテナンスにより動物実験に使用することが事実上不可能となった。放射線照射装置は大学動物実験棟の実験動物用照射装置にて代行可能であったが、同装置ではマウスの照射は可能であるがラットの照射は不可能であったため、実験系をマウスを対象としたものに変更した。結果、基礎研究に変更が生じた。 基礎研究に変更が生じたため、25年度予定であった抗凝固剤投与の動物実験を次年度開始。そのため25年度購入しなかった設備備品(鼻咽喉ファイバースコープ撮影システムの一部、三次元放射線治療計画データ解析システムの一部)および消耗品(マウス、マルチサイトカイン測定キット一式など)を次年度に購入予定。
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